今起きている「Web3」で変わる世界の新しい仕組み ブロックチェーンによって情報の流れが変わる
確かに、「競争」によって新しいアイデアや挑戦、投資を促しイノベーションが起こり、それが人々の生活をよりよくするという側面はとても重要である。
しかし、それが行き過ぎるとどうなのだろうか? そもそもインターネットやWebといった共通資産の発展において、それは正しいアプローチなのだろうか?
さまざまな課題が浮上してきた今だからこそ、一度立ち止まって考えてみる必要があるかもしれない。
共創が生み出す価値とインターネット
インターネットの登場から始まる一連の変化は、オープンソースをはじめとする「共創」によってその発展が後押しされてきた。
背景にはインターネットという情報基盤が人類共通の資産であるという考え方がある。誰かの成果物を利用して、自分の成果物を作り、それをまた他の誰かが使えるように公開する。このようなプロセスが広く見られ、そしてそれが我々の情報社会を支えているのだ。「共創」にも大きな力があることがわかるだろう。
そして、Web3はコンセプトとして、「競争」よりも「共創」を重視している。
インターネットによる情報流通の効率化・複雑化は我々の生活を大きく変え、経済成長のエンジンともなった。
しかし、インターネットという共通基盤の上で行われている熾烈な競争は、その土台であるインターネットのあり方を変えてしまっているかもしれない。
もしも企業が破産したら、利用していたサービスはどうなるのか、私のデータは一体誰のものなのか。Web2.0を迎えたインターネットは共有資産の論理とビジネスの論理の狭間で揺れている。
共通基盤としてのインターネットで展開される仕組みには、それに相応しい仕組みであることが求められ始めているのだ。