そして絶対に受け入れられない話です。『ごんぎつね』は、私にとってとてもつらい話でした。いたずら好きなきつねのごんは、兵十をからかおうとせっかく兵十が釣った魚やウナギを逃がしてしまいます。
数日後、兵十のお母さんが亡くなり、ごんは考えます。お母さんがウナギが食べたかったから兵十はウナギを取ったのではないか?そしてウナギを食べられず、お母さんは亡くなってしまった。
そう考えたごんは、その罪を償おうと魚や栗を兵十の家に届けます。兵十は誰が持ってきてくれるのかを知りません。そしてある日、外出から戻ってきた兵十は自宅に入っていくごんを見つけます。またいたずらをしに来たと思った兵十は家から出てくるごんを撃ち殺してしまいますが、そこには大量の栗があり、これを届けてくれていたのがごんだったと気が付くのでした。
ごんぎつねに涙が止まらないワケ
この話を初めて読んだとき、涙が止まりませんでした。今、こうして書いていても思い出して涙が出てきます。何が私をこんなにも悲しくさせるかというと、この話を読むと失敗を取り返せないということを言われているような気がするからです。ごんはいたずらをしたり、魚屋から魚を盗んで兵十にそれを届けたりしていました。魚の件は、それで兵十が盗人だと疑われてしまいます。
確かにごんは悪さをたくさんしたかもしれません。でも、兵十に対して謝りたかった気持ちは本当です。そのような気持ちを持って行動していたにもかかわらず、撃ち殺されてしまうというのは、あまりにもひどい終わり方だと感じました。
現実には、このようなケースはたくさんあると思います。でも、せめてお話の中では、ごんの謝りたいという気持ちが尊重されてもよいのではないでしょうか?これだと、一回失敗したら、それを取り返すことはできないと感じてしまいます。
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