もしくは、
女性主人公にも「成り上がり」が求められている
近年の大河ドラマで最も成功したのは「篤姫」(2008年)ですが、「篤姫」は記録が比較的残っているうえに、宮尾登美子さんによる「天璋院篤姫」というすばらしい原作がありました。
しかも「篤姫」のゴールは、第13代将軍徳川家定の妻。大奥を取り仕切るトップです。薩摩の島津家分家に生まれた娘が、自らの利発さと強い意志で、女性の最高地位にまで出世していくところが、男性にも女性にも支持されたのです。
「花燃ゆ」の主人公、文さんのゴールは、小田村伊之助の妻。小田村伊之助は、幕末に長州藩の折衝役として活躍した人物のようですが、残念ながら天下を取った人物ではありません。
かといって、今のところ、文さん自身が出世していくわけでもなさそうですし、吉田松陰の妹として歴史を裏で動かしていくようにも見えません。文さん自身の卓越したすごさや能力がまったく伝わってこないからです。ドラマの中で、文さんを描いているシーンが何とも少ないことか。
歴史ドラマは、史実と史実の間をどうクリエーティブに描いていけるかが見せどころ。もともと文さんの記録は少ないのですから、思いきって、「花より男子」の主人公のようにモテモテにして、「篤姫」のような歴史を動かしていく賢い女性として描けば、見たいと思う人は増えるはず。
とにかく、男性も女性も視聴者は「普通の人」など見たくない。すごい女性が、並外れた能力を発揮し、出世していく物語を見たいのです。
せっかくすばらしい出演者に恵まれているのですから、史実に縛られず、「花より男子」と「篤姫」の成功パターンを盛り込んでいけば、視聴率はアップすると思います。
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