「花燃ゆ」が、「花より男子」みたいな、痛快なドラマだったら最高です。貧乏な幕末女子が、松下村塾にいるF4にもてまくり、途中、いじめられたりもするけれど、最後は最も金持ちと結婚する……みたいな。時代背景は幕末だから、途中、坂本龍馬とかも出てきて、激動な感じになるだろうけれど、基本は「幕末女子のシンデレラストーリー」にしてくれればいいわと。
大河ドラマはもう何十年も見ていないけれど、これなら見るかも。「あまちゃん」で朝ドラを何十年ぶりに見たように……。
ところが、初回を見て、その期待は見事に裏切られました。
なんだ、いつもの大河じゃん。
しかもここ数回は牢獄ばかりが出てきて、暗い。暗すぎる……。
「花より男子」風のドラマにするなら、物語の展開も全部、まねしてほしかった、ただ時代劇にするだけでよかったのに……というのが正直な感想です。
立ちはだかる、「大河ドラマの壁」
「花燃ゆ」は、番宣や配役を見ても「大河ドラマに女性を取り込もう」としたのは明らかです。
何てったって、ビジュアルは「井上真央さん+F4」。キャッチコピーは「幕末男子の育て方。」
NHKは、「あまちゃん」「あさイチ」で30代から40代の女性を取り込むことに成功し、朝の視聴率を上げることができました。この勢いを大河ドラマにもと考えたのではないかと思います。
そこで、今回は、女性を主役にしようと、戦国か幕末で有名な人物の妻や家族を探して、ひっかかったのが、吉田松陰の妹、文さんだったのでしょう。
脚本家はおふたりとも女性。あとは女性が喜ぶ「花男」+朝ドラのような内容にしていけば万全です。ところがそこに「大河ドラマ」の壁が大きく立ちはだかりました。
もともとこの枠には、最低10%ほどの固定客がいます。どんな内容が放送されていても大河ドラマを見るという人たちです。その多くは大河を見慣れている高齢者(主に男性)と歴史好きの人たちです。いくら、若めの女性視聴者を取り込みたいからといって、この10%を失うわけにはいかないのです。
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