NHK大河ドラマ「花燃ゆ」(毎週日曜、夜8時)の苦戦が伝えられています。過去6回の平均視聴率は15%にも届きません。筆者はこのドラマを恋愛ドラマの金字塔、「花より男子」(TBS系)の時代劇版なのではないかと楽しみにしていましたが、大きく期待を裏切られることに……。
今回は、本作品が新たなターゲットとしたはずの30~40代女性を取り込めなかった背景について、考えてみたいと思います。
イケメンぞろいで、あの「花より男子」を彷彿
「花燃ゆ」の主人公は、吉田松陰の妹、文(ふみ)。松下村塾に集う志士たちを支えながら幕末から明治の世を生き抜く姿を描いていく物語です。最初の夫が久坂玄瑞。高杉晋作と共に松下村塾で学び、長州藩士として尊王攘夷運動の中心人物となっていきます。2番目の夫が小田村伊之助。第2次長州征伐で幕府と諸藩の折衝役を務め、薩長同盟にも貢献した藩士だそうです。
ご覧のとおり、今回の大河の登場人物は、すべて歴史上はマイナーな人たち。しかし、配役は華やかです。主役の文を演じるのは井上真央。吉田松陰を伊勢谷友介、久坂玄瑞を東出昌大、高杉晋作を高良健吾、小田村伊之助を大沢たかおが演じます。
30~40代の女性に絶大な人気を誇るイケメン俳優ばかり。しかも全員、背が高い!
昨今のテレビドラマでこんなに背の高い男優たちが助演を務めることなど、かなり珍しいことです。
番組が始まる前、筆者は、井上真央さんがイケメン4人に囲まれている宣伝画像を見て、「これは時代劇版『花より男子』になるに違いない」とかなり期待を寄せていました。
「花より男子」(2005年)は、少女マンガを原作とした恋愛ドラマ。超金持ち名門高校に通う貧乏少女(牧野つくし)が、学園を牛耳る御曹司4人組(花の4人組=Flower 4、通称F4)とぶつかり合い、さまざまなトラブルに巻き込まれますが、持ち前の明るさと天然ぶりと雑草魂が魅力となり、かえって御曹司たちにもてまくるという話です。
主人公のつくしを、井上真央、F4を、松本潤、小栗旬、松田翔太、阿部力が演じました。この5人は、この作品がきっかけとなり大ブレーク。続編「花より男子2」(2007年)の最終回の視聴率は30%に迫る勢いでした。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら