永守重信氏「不安に襲われた時の考え方」が生む差 人生はだいたいプラスマイナスゼロなんだから

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サインカーブのx軸より上はプラスで楽しいこと、逆にx軸より下はつらいこと、悲しいこととすると、その比率は1対1なのです。にもかかわらず、なぜかいいことを忘れて、「自分の人生の8割は嫌なことの連続だった」などと言う人に出会うことがありますが、それは間違いです。逆に、自分だけ100%、いい目を見ようと思っても、それは無理な話です。

では、そのサインカーブの人生をどう歩んでいくか。

小さい苦労を重ねるなら、小さいサインカーブ、大きな苦労を重ねるなら大きなサインカーブになる。前者なら、嫌なことは少ないけれど、いいことも少ない人生になる。後者なら、嫌なことも山ほどあるけれど、いいことも山ほどある人生になります。人生全体ではいいことと悪いことは50%ずつと決まっているので、あとは振り子の振り幅が小さいか、大きいかの違いだけということです。

ですから、嫌なことをどんどんやらないと、いいことも増えていかないわけです。嫌なことから逃げたら、いいことも減る。それだけのことなのです。

つらい時にこそ夢を語ろう

もし「ああ、大きな問題にぶち当たったな」「大きな不安がやって来たな」ということがあれば、「今はサインカーブの下のところを経験しているけれど、上に行ったときは同じくらい大きな幸せが来る」と考えてほしいと思います。

『人生をひらく 困難に打ち勝つための原理原則50』(PHP研究所)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

明けない夜もなければ、出口のないトンネルもありません。たしかに、トンネルの中にいるときはつらい。でも、その暗い所を通過して朝日を迎えることができれば、成功する確率は格段に上がります。

人生や経営において、大きな喜びを味わいたいと思うなら、将来に対して大きな希望を持つことから始めてください。経営者であれば、まずは自分が夢を抱き、それを従業員に伝えることから始めてください。

夢というのは、つらいときこそ語らないといけません。人生がうまくいっていたり、業績がいいときに夢を語る必要はないのです。つらいときに夢を語れる人が本物で、夢を持っていない人は、少しでもつらくなると逃げてしまうものです。

だから、つらいときでもへこたれずに、「朝の来ない夜はない」と考えることが必要なのです。

永守 重信 日本電産会長 創業者、京都先端科学大学理事長

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ながもり しげのぶ / Shigenobu Nagamori

1944年京都生まれ。職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)電気科卒業。73年、28歳で従業員3名の日本電産株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。80年代から国内外で積極的なM&A戦略を展開し、精密小型から超大型までのあらゆるモータとその周辺機器を網羅する「世界No.1のモーターメーカー」に育て上げた。代表取締役会長兼社長(CEO)、代表取締役会長(CEO)を経て、2021年より代表取締役会長。2014年、公益財団法人永守財団を設立、理事長に就任。また18年には京都先端科学大学を運営する学校法人永守学園理事長に就任。著書に『成しとげる力』(サンマーク出版)、『「人を動かす人」になれ!』(三笠書房)など。

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