永守重信氏「不安に襲われた時の考え方」が生む差 人生はだいたいプラスマイナスゼロなんだから
サインカーブのx軸より上はプラスで楽しいこと、逆にx軸より下はつらいこと、悲しいこととすると、その比率は1対1なのです。にもかかわらず、なぜかいいことを忘れて、「自分の人生の8割は嫌なことの連続だった」などと言う人に出会うことがありますが、それは間違いです。逆に、自分だけ100%、いい目を見ようと思っても、それは無理な話です。
では、そのサインカーブの人生をどう歩んでいくか。
小さい苦労を重ねるなら、小さいサインカーブ、大きな苦労を重ねるなら大きなサインカーブになる。前者なら、嫌なことは少ないけれど、いいことも少ない人生になる。後者なら、嫌なことも山ほどあるけれど、いいことも山ほどある人生になります。人生全体ではいいことと悪いことは50%ずつと決まっているので、あとは振り子の振り幅が小さいか、大きいかの違いだけということです。
ですから、嫌なことをどんどんやらないと、いいことも増えていかないわけです。嫌なことから逃げたら、いいことも減る。それだけのことなのです。
つらい時にこそ夢を語ろう
もし「ああ、大きな問題にぶち当たったな」「大きな不安がやって来たな」ということがあれば、「今はサインカーブの下のところを経験しているけれど、上に行ったときは同じくらい大きな幸せが来る」と考えてほしいと思います。
明けない夜もなければ、出口のないトンネルもありません。たしかに、トンネルの中にいるときはつらい。でも、その暗い所を通過して朝日を迎えることができれば、成功する確率は格段に上がります。
人生や経営において、大きな喜びを味わいたいと思うなら、将来に対して大きな希望を持つことから始めてください。経営者であれば、まずは自分が夢を抱き、それを従業員に伝えることから始めてください。
夢というのは、つらいときこそ語らないといけません。人生がうまくいっていたり、業績がいいときに夢を語る必要はないのです。つらいときに夢を語れる人が本物で、夢を持っていない人は、少しでもつらくなると逃げてしまうものです。
だから、つらいときでもへこたれずに、「朝の来ない夜はない」と考えることが必要なのです。
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