日本の会社員の「安すぎる初任給」は今後変わるか サイバーエージェントは42万円に引き上げ?

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高い報酬を得るために必要なこと

もちろん、初任給のアップが若手社員の待遇への不満をすべて解消するかというと、そうはならない可能性もあります。起点となる初任給がアップしたとしても、その後の報酬が増えるとは限らないからです。

以前、筆者がベンチャー企業と大企業の給与カーブを分析したときの話です。最近は初任給が大企業より高いベンチャー企業が何社もありました。ただし、入社後の賃金は大企業だと一律で上昇を続け、40代では相応の報酬になるので生涯年収が高い。

一方のベンチャー企業は、入社2年目から厳しい査定で大きく差がつく。上がる人もいれば、上がらない人もざらにいる。人による差が大きく、生涯年収の額も明確になっていない――。初任給がたとえあがったとしても、その報酬がどのように推移していくのか、そこは社員の側も気をつけておくべきでしょう。

初任給の金額を上げる会社はおそらく、成果やスキルに応じたメリハリの利いた人事制度とセットにする会社が大半でしょう。20代から報酬で大きく差がつく時代、それへのきっかけが、今足下で見られる初任給の大幅アップなのかもしれません。

30代で「年収格差が2倍以上」になるような可能性もあります。そのくらいの転換であることを理解し、自分は高い報酬を得られるだけの働きができるように努力していくというマインドが必要になってきそうです。

高い報酬を得るためには、(会社が考える)昇給基準を理解することも重要です。

例えば、日常業務をこなすだけでなく、改善提案が必要とされれば、それに取り組み、成果を生み出す、といったことです。給与に不満を抱くだけでなく、必要な努力をすることで、この給与変革の動きを、自身にとってプラスのものとできるはずです。

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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