高い報酬を得るために必要なこと
もちろん、初任給のアップが若手社員の待遇への不満をすべて解消するかというと、そうはならない可能性もあります。起点となる初任給がアップしたとしても、その後の報酬が増えるとは限らないからです。
以前、筆者がベンチャー企業と大企業の給与カーブを分析したときの話です。最近は初任給が大企業より高いベンチャー企業が何社もありました。ただし、入社後の賃金は大企業だと一律で上昇を続け、40代では相応の報酬になるので生涯年収が高い。
一方のベンチャー企業は、入社2年目から厳しい査定で大きく差がつく。上がる人もいれば、上がらない人もざらにいる。人による差が大きく、生涯年収の額も明確になっていない――。初任給がたとえあがったとしても、その報酬がどのように推移していくのか、そこは社員の側も気をつけておくべきでしょう。
初任給の金額を上げる会社はおそらく、成果やスキルに応じたメリハリの利いた人事制度とセットにする会社が大半でしょう。20代から報酬で大きく差がつく時代、それへのきっかけが、今足下で見られる初任給の大幅アップなのかもしれません。
30代で「年収格差が2倍以上」になるような可能性もあります。そのくらいの転換であることを理解し、自分は高い報酬を得られるだけの働きができるように努力していくというマインドが必要になってきそうです。
高い報酬を得るためには、(会社が考える)昇給基準を理解することも重要です。
例えば、日常業務をこなすだけでなく、改善提案が必要とされれば、それに取り組み、成果を生み出す、といったことです。給与に不満を抱くだけでなく、必要な努力をすることで、この給与変革の動きを、自身にとってプラスのものとできるはずです。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら