17歳高校生DJが語る「ブックオフ」再評価の必然 110円棚は今や少ない「アルゴリズムの外側」だ

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テレマビ:自分だけで行ったのは、小学校高学年ぐらいからですかね。塾の帰りに寄ってました。塾は高校受験の頃に通っていたんですけど、受験だし、当時コロナもあって友人との遊びとかも行けていなくて。あまりに苦しかったので、日常系の四コマ漫画とか、『ひだまりスケッチ』のDVDとかを買ったりしていました。

telematic visions(てれまてぃっく・びじょんず):2020年に活動開始。2021年に初のフルアルバム「bluespring」をbandcampでリリース。各方面で話題となる。K/A/T/O MASSACREなど現場でのDJ活動も行い、コンピレーションへの参加やシングル「fictitious」のリリースなど、まだ10代ながら精力的に活動中。アニメ・ゲーム・漫画などのいわゆる“オタク文化”をルーツに持ち、デジタルネイティブ世代ならではのセンスで活躍中(画像:本人提供)

谷頭:蒼樹うめ先生の作品ですね。

テレマビ:ほかには桜庭一樹の『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の富士見ミステリー文庫版を買ったりとか。

谷頭:ライトノベルから単行本、文庫本までたくさんのバージョンで出版され続けている作品ですよね。「富士見ミステリー文庫版」はその最初のバージョンで、新刊を取り扱う書店だとまず見ない。ブックオフだからこそのチョイスだったというか。

テレマビ:そうなんですよ。「心のオアシス」って言ったら大げさですけど、当時の自分の中で、ブックオフはそんなイメージでしたね。

谷頭:ブックオフに行く時のルーティーンとかってあったりしますか? どのコーナーは必ず見るとか。

テレマビ:やっぱり、音楽が好きなのでまずはCDコーナーですね。その後に漫画コーナーを見て、それからアニメの500円棚のところとか。本は気になったものがあったら買うし、ネットで見て気になったものを立ち読みすることも多いです。

ブックオフ大阪心斎橋店
本だけでなく、CDやDVDが並ぶ店内。レコードなどもひたすらに並べられており、若者にとって予想しなかった出会いが生まれる。ブックオフ大阪心斎橋店にて(写真:筆者提供)

谷頭:じゃあ、漫画とかを立ち読みしたりして。

テレマビ:パラパラ見る感じですね。

谷頭:ガッツリ読む派ではないと?

テレマビ:学校帰りだといつも同じ店舗に行くことになるんですよ。だからあまり敵視されたくないので……(苦笑)。

谷頭:ブックオフ処世術ですね(笑)。制服姿って目立ちますもんね。今でもブックオフに通われているんですか?

テレマビ:そうですね、学校帰りに行くことが多いです。だから、春休みとか、長期休みになると行けないことも多いんですけどね。

10代の創作にブックオフはどう影響するのか

谷頭:ここからは、ブックオフでの経験がどのように創作活動に影響を与えてきたかを伺っていけたらと思います。

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