給付型奨学金「170万円」大学生が教えてくれた事 「正直恵まれすぎている」彼は社会に感謝を語る

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「そういう制度があることを、入学当初は知らなかったんですよ。1年生の後期に友達に教えてもらって、後期の授業料免除申請を出したのですが、これは通りませんでした。ただ、2〜4年生になってまた申請した際は全額免除になりました。あくまで私の予想ですが、弟も大学に進学したことが影響したんだと思います。

でも、どこから免除になるかは大学によって違っているようで、弟の通っている国立大学の場合は、授業料免除の制度は、私の大学よりも手厚くないみたいです。大学の規模によるのでしょうか」

免除になる基準は、大学ごとに異なっているらしい。

そして、時間をかけて調べた結果、応募要件を満たさない場合もある。

「実家のある市町村の給付型奨学金も考えていたのですが、募集要項の中の世帯年収の条件が厳しく、不採用が明らかなので申請しなかったんです。自治体が行う奨学金は、JASSOの給付型奨学金に近い要件で、『私なんかよりずっと貧しい家の学生たちを支援している』ということを感じました。それもあって、申請の間口が広い企業や財団の給付型の奨学金に応募したんです」

それでも、結果的に花田さんは返済不要の奨学金を獲得したことで余裕ができ、4年生になった今は大学院進学の勉強中。記事が配信される頃には、試験が控えている。

「入学したときは特にロースクールや弁護士を目指していたわけでもないのですが、法律事務所でバイトしたのがきっかけで、弁護士という仕事に憧れるようになったんですね。

その背景には、経済的な事情も当然関わっています。うちの大学のロースクールは年間で80万円程度かかるのですが、給付型奨学金と授業料免除、破格の寮のおかげで、金銭的な負担をある程度抑えられてきた結果、ロースクールを目指すことも可能だと思えるようになったんです。バイトに明け暮れずに、勉強時間を確保できたのも大きかったですね」

大学院では貸与型も選択肢に

4年終了時までに、約170万円分の奨学金に加え、授業料免除の恩恵を受ける計算になるが、花田さんは大学院でも、給付型の奨学金の申請を考えている。

「これまで受けてきた奨学金は2つとも、4年生で給付が終わるんですよね。院生でも今の寮には残れると思いますが、2年コースでも160万円かかりますからね。教材も1冊5000円〜1万円もするそうなので、経済的な負担は今よりも大きくなると思います。

あと、ロースクールの授業料免除の制度は学部とは異なり独自の基準らしいので、来年以降通るのかどうか心配です。そのため院進できたら給付型を申請する予定ではいますが、貸与型を借りることも視野に入れています。できれば、無利子がいいですね。80万円も貯金ないですし」

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