萩原聖人さん「沖縄戦を戦った県知事を演じて」 50代になって思う「才能より人格の時代」

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ただ長年この仕事を続けてきて感じているのは、「またあの人と仕事がしたいよね」「会いたいよね」と、思ってもらえるかどうか。

人とどう接するかに深く関わってきますし、周りから一緒に仕事がしたい人間だと判断してもらうためには、結果を出し続けていかなくてはいけない。それが「惚れられる」ということなのかな、と考えるようになりました。

――好かれるよりも、惚れられる。深いですね。

そうなんですよ。僕は(マハトマ・)ガンディーではないので(笑)、すべての人に対して親切にはできませんし、ソリが合わない人も当然います。だからこそ、人間関係という大げさなものではなくていいので、相手と心地いい距離感をつくることを、「惚れられる」ことと同時に、僕は大切にしているほうだと思います。

「出会いより再会」という言葉を大切にしている

――人との距離感の測り方は、難しく感じる人が多いかもしれません。萩原さんはどのように測っていますか。

僕の場合、座右の銘ではないですが「出会いより再会」という言葉を大切にしています。

出会いはとても大切ですが、一度出会うこと自体は実はそれほど難しくないんですよね。何か縁があれば出会えるわけですから。

僕にとって難しいのは、2回目の、再会です。俳優業では日々さまざまな出会いがありますが、その方々といつもう一度会えるかはわかりません。一度目に会ったときに「この人、好きだな」という印象を残せたとしても、再会したときに「違うな」と思われるかもしれない。逆もしかりです。だからもし再会できたときには、「ダメだ、こいつ」とは思われないようにしたい。

だから自分が、「どういう時間をすごしてきて再会できるか」ということは大事にしていますが、それはその人に再会するためだけではない。生き方に直結していくことだと捉えています。

(撮影:梅谷秀司)

――生き方にもつながるのですね。

生き方といっても僕もつねに、ストイックに生きているわけではありませんよ。大雑把に、自分の中で格好悪いなと思うようなことだけはしないでおこうとか、自分が人にされたら嫌なことはしないようにしようとか、その程度のレベルです。

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