「第二次性徴並み」中年の大変化をどう受け入れる 「鏡の前が苦痛」35歳漫画家が美女を目指した先
その頃、外見が「母にそっくり」になってきたことがショックを大きくした。田房さんは、著書『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版)などに描かれている通り、母親の過干渉から抜け出すために壮絶な体験をしている。
「中高生の頃に1番激しくやり合っていた頃の母と自分が似てきているのがすごく嫌でした」
自分が本当にやりたいことをやってみた
「ちょっとでいいから自分の姿を好きになりたい」という思いから、田房さんは痩身エステやパーソナルカラー診断、断食道場、加圧トレーニングなど様々な美容法に挑戦。その体験の中で生じた感情や自身の価値観に向き合い、「自分は本当に何がしたいのか」「これからどうなりたいのか」を考えて、本当の自分の気持ちに耳を傾けるようになる。そして「運動が不得意だけど卓球は好き」「音楽と一体化して踊ってみたい」という自分の欲求を叶える行動を起こすようになる。
「自分が本当にやりたいことをやってみたことで、『自分の中の自分が喜んでいるなあ』と感じたんです。自分の期待や欲望に応えることで、自分自身と信頼関係を築くことができたのだと思います。
『外側の自分』は社会の方を向いて行動しているので、つい自己成長や社会的成功のために効率のいい方に行ってしまいがちです。すると『内側の自分』が楽しいと思えることからズレてしまいます。私もそうやって、つい自分に対してスパルタになったり自分を責めたりしていました。
でも『内側の自分』に足並みを揃えると、外側の自分も明るくなってきました。体型のことも『色々やったけどすぐには痩せられないし、しょうがないか』と受け入れられるようになりました」
その頃、きれいな友人と過ごしたことが外見に対する捉え方が変わるきっかけになったという。
「モデルのような体型の友人と久しぶりに会った時、私とは骨格も何もかも面白いくらい違っていて、アーノルドシュワルツェネッガー主演の映画『ツインズ』(1988年)に出てくる兄弟みたいだなと思ったんです(笑)。
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