「第二次性徴並み」中年の大変化をどう受け入れる 「鏡の前が苦痛」35歳漫画家が美女を目指した先

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でもそれと同時に自分にフォーカスして、自分の歴史の中で体や見た目の変化を楽しんだり、慈しむような感覚を大切にするようになりました。『石田ゆり子さんって素敵だなあ』と憧れたり、『でも全然なれないじゃん!』と思う自分を面白がりながら年を重ねていけたらいいなと思っています」

1年に1秒でも自分を好きになれたら上出来

43歳になった今は自分の見た目に対して「いい感じに諦められるようになった」という田房さん。

「以前は自分の気持ちが重過ぎて言えなかったけど、今は『痩せた~い』と気楽に口にできるようになりました。

もちろん今でも痩せられるならすぐに痩せたいです(笑)。でも色々とやってみたことでそれは無理だと分かったので、『これ以上太らなければいいってことにしようか』と思えるようになりました。自分に足並みを揃えることは自分にしかできないので『これからは自分と一緒にやっていこう』と今のところは思っています」

自分の外見を受け入れた頃から、さらにもう1つの変化が起こっていた。

「自分のことを部分的に『かわいいな』と思えるようになりました。たとえば着替えている時にふと『自分の足の色っていいじゃん』と思ったりするんです。そういう機会が増えたことが心の栄養になっていると思います。

以前は足の色なんて気にも留めなかったし、そのくらい自分のことを見ていなかった。自分に対して酷い扱いをしていたのかもしれません」

部分的にでも自分の見た目を褒めることは容易いようで、謙遜を美徳とする教育を受けた私達にはハードルが高いのかもしれない。

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「難しいですよね、だから『いつも自分を好きになろうよ!』なんて全く思いません。

自分の外見が辛いと感じる時期は誰にでもあると思うし、そういう時に無理に自分を好きにならなくていい。私がやってみたことも、やりたくないならやらなくていいし辛い時は自分の楽な方に行っていいと思います。私自身『水泳に行った方がいいけど今日は行く気しないな』と少しでも感じたら行かないし、行かない自分を責めないようにしています。

私に言えるのは『みんなかわいいから大丈夫、辛いのはしょうがないからバタバタしていこうぜ!』ということくらい。そんな中で、1年に1秒でも『自分の見た目のこの部分がいいな』と思えたり、楽しい瞬間があったら上出来だと思います」

都田ミツコ 編集者・ライター

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とだ みつこ / Mitsuko Toda

1982年生まれ。編集者・ライター。編集プロダクションでの勤務を経て、フリーランスに。

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