「友達は妻だけオジサン」中高年男の超残念な現実 なぜ皆、口を揃えて「めんどくさい」と言うのか

✎ 1〜 ✎ 66 ✎ 67 ✎ 68 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

人類史をさかのぼって考えても、古来、男性は外に出て狩りをし、獲物を得ることが仕事であり、敵を出し抜き、勝ち残る「戦闘力」「競争力」は問われても、「会話力」「対話力」などは、さほど求められなかったわけです。

男性は生まれた家族と一生を共にした一方で、女性は婚家に嫁ぎ、新しい人間関係を一から築かなければなりませんでした。そこで、子どもを産み育てるという過程でも、周りの支援を受けるための「協創力」が欠かせなかったのです。

女性は「つながる」ことに、男性は「勝ち抜く」ことに重きを置く傾向があると言えるでしょう。

女性は「face to face」、男性は「shoulder to shoulder」

男性になぜ「友達と会って話したりしないのか」と問うと、高い確率で「めんどくさい」という答えが返ってきます。

高名な人類学者であるイギリス・オックスフォード大学のダンバー教授は、高校から大学に進んだ学生を追跡調査し、「女性は、電話で話すことなどを通じて長距離の友情関係を維持することができるが、男性は一緒に何かをすることがなければ、関係を継続することが難しい」と結論づけました。

「男性にとって、サッカーを一緒にする、観る、一緒にお酒を飲む、といった共通体験がないと、関係を維持できない」というのです。ダンバー教授の言葉を借りれば、「(男性の友人関係は)去る者は日日に疎し」

女性がお互いの目を見ながら、向き合う(face to face)のに対し、男性はテレビでスポーツを観るときのように、互いに肩を並べて、共通の目的(スポーツや仕事、ゲームなど)のために、コミュニケーションをとる(shoulder to shoulder)スタイルと言われています。

つまり、男性は物理的に時間を一緒に過ごす必要があり、その「目的」、つまり、何らかのきっかけやアクティビティがないと、関係構築・維持が難しい。「つながりをつくるためのハードル」が極めて高いということになります。お茶一杯や電話一本で維持できる関係ではないから、「めんどくさい」となるわけです。

また、男性同士で仲良くすることにもためらいを感じる人は少なくありません。とくに、今の中高年世代は「男性は男らしく」がデフォルトでした。

そのため、「同性愛的」に見られたくないと、「男性同士が必要以上につるむ」ことに躊躇いを感じる人は少なくないのです。

次ページでは「処方箋」は?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事