ひろゆき「嫌われてもいいから答えを知りたい」 竹中平蔵がとことん聞いた2ちゃん創設者の本音
竹中:すごくロジカルな人なんだから、「ひろゆきの日本改造論」のようなものを、きっちり述べたほうがいいと思うんですよ。そうしたら、この人は本当にわかっているな、かなり本質を突いているな、とみんな一目置くわけですよ。
ひろゆき:でも短期的に、こうしたら即座に日本全体が良くなる、ってものはないじゃないですか。今の既得権益の人たちが損をする形じゃないとバランスが取れないので。全員これで幸せになるなんて嘘で、誰かが損をするしかないわけです。
例えばスウェーデンが新型コロナ対策でやった、80歳以上と基礎疾患のある60歳以上のICU治療を諦めるっていう選択は、僕は正解だったと思ってるんですよ。もう医療リソースが限られてますと。40代・50代の人は助けて社会を回さなきゃいけないけど、持病のある60歳以上は、申し訳ないけど、もう国としては順番は後にします─僕はそれは正しいと思っちゃうタイプの人間なんです。
でも60歳以上の人や、家族にその年代がいる人からしたら「ふざけるな」ってなるわけじゃないですか。要は「トロッコ問題」みたいな、誰かを犠牲にする判断をしなければいけないですよ、っていうのを僕は言いがちなんで。それだとやっぱり大勢に理解されることはないと思うんですよね。
ポリティカリー・インコレクトなひろゆき
竹中:それは、使い分ければいいと思うんです。「ポリコレ」って言葉がありますよね? 日本語で言うと「政治的正しさ」、「ポリティカリー・コレクト」とも言いますね。その反対は「ポリティカリー・インコレクト」。
ひろゆきさんは、まずポリティカリー・コレクトな表現で、1冊本を書くべきなんです。そのあとで、細かな発信はポリティカリー・インコレクトに行う。
ひろゆき:ポリコレの口調で、文章のテイストをまとめるってことですね(笑)。
竹中:役所や官僚がひろゆきさんを怖がるのは、ポリティカリー・インコレクトなことばかりを言うんじゃないかと危惧しているからです。例えば、「役所の硬直性」という問題を指摘する場合でも、「役所はこの件についてもう少し柔軟に対応してもらいたい」と言うのがポリティカリー・コレクト、「役人はバカだ」と言うのがポリティカリー・インコレクト。どちらも正しいことではあるんだけれど、その2つを使い分けるべきです。
ただし、あまりにポリコレなことばかり言うと、それはひろゆきさんらしくなくなるから、少しは乱暴な言い方を残すべきだと僕は思います。その両者があったほうがインパクトもあると思うんですよ。