ひとつめは、「社員がファイティングポーズをとらない」ことである。
「真面目=ファイティングポーズ」は成立しない
社員が「ファイティングポーズ」をとらない会社は「組織の活力」が失われ、活気、熱気、やる気というものが消え失せてしまっている。こんな状態では、どんな対策を講じようが、成果が上がるはずもない。
どんなにリーダーが号令をかけようが、新たな戦略を打ち出そうが、社員が「闘う姿勢」を示さなければ、実行はおぼつかない。
サントリーホールディングスの新浪剛史社長は『日経ビジネス』のインタビューで「日本が力を失った理由は様々ですが、やはり民間にアニマルスピリッツが失われたことでしょう」とコメントしている。
また、サッカー日本代表元監督の岡田武史氏は、プロ野球界のレジェンドである王貞治氏との対談の中で「僕は闘争心というのは、生物が生まれつき持っている本能のひとつだと思っています」と語っている。
その「本能」さえ、日本企業は失いつつある。動物としての本能を失ってしまえば、弱肉強食の世界で生き残っていけるはずもない。
多くの経営者から「うちの社員たちはみんな真面目」という言葉をよく聞く。しかし、この「真面目」という言葉は要注意である。与えられたこと、目の前のことを真面目にやっているからといって、「ファイティングポーズ」をとっていることにはならない。
昔からやっていることを淡々と同じように繰り返すだけなら、「闘う姿勢」などいらない。「休まず、遅れず、働かず」は、かつては役人・公務員を揶揄する言葉だったが、いまでは普通の会社でもいくらでもこんな社員はいる。
ファイティングポーズをとることは、「果敢にチャレンジすること」「リスクをとること」である。そして、挑戦するには「勇気」が必要である。とてつもなく大きなエネルギーが不可欠である。
「真面目」ばかりで「ファイティングポーズ」をとろうとしない「闘う姿勢」に乏しい会社から、イノベーションが生まれるはずもない。
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