野口聡一が解説「宇宙の色・におい」予想外な実態 様々な点で我々の想像と大きく異なっている

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今まであまり知られてこなかった、「宇宙のにおい」とは?(写真:dima_zel/Getty Images Plus)
1996年宇宙飛行士候補に選出され、国際宇宙ステーション(ISS)で日本人初の船外活動を行うなどさまざまなミッションを遂行してきた野口聡一宇宙飛行士。
宇宙滞在期間は344日を超えており、2020年にはクルードラゴン宇宙船に搭乗し「3種類の宇宙帰還を果たした世界初の宇宙飛行士」として、ギネス世界記録に認定されました。
そんな野口宇宙飛行士が、「子どもも大人も知っておきたい、驚くべき宇宙の世界」について紹介した著書『宇宙飛行士だから知っている すばらしき宇宙の図鑑』から、一部抜粋・再構成してお届けします。

宇宙のにおいは揚げ焼きステーキ!?

宇宙空間に人が直接体をさらすことはできないので、においの正体を鼻で確かめるのは難しいのですが、宇宙のにおいを感じたという宇宙飛行士の証言は数多くあります。

船外活動をして、国際宇宙ステーション(ISS)の船内へと戻ってきた後に感じたにおいは、NASAのドナルド・ペティ宇宙飛行士によれば、「溶接ヒューム(溶接で融けた金属の細かな粒子)のにおい」。トーマス・ジョーンズ宇宙飛行士によれば、「つんとするオゾンのにおい」など。揚げ焼きステーキしたステーキのにおい、と表現されたこともあります。ちなみに、私は刺激臭のある、独特の金属臭のように感じました。

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