野口聡一が解説「宇宙の色・におい」予想外な実態 様々な点で我々の想像と大きく異なっている

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高度400km上空のISSからは、基本的には地上で見えるのと同じ方向に星が見えます。まったく見え方が異なるのは、流れ星です。「眼下に広がる大気圏の中を地上に向かって星が流れていく」様子は、ISSならではの絶景になっています。また、約90分で地球を一周するISSは、北半球と南半球の星空を両方とも見ることができ、星好きには素晴らしい環境です。

大気のほとんどない宇宙では地上と異なり、星は瞬くことなく、非常に明るく見えます。そのため恒星を区別することが難しく、地上で見慣なれた星座であっても見つけることが難しいといいます。

爆弾低気圧に覆われている北海道(出典:『宇宙飛行士だから知っている すばらしき宇宙の図鑑』)
宇宙から見た逆さ富士。ISSからは逆さに見えることも多いです(出典:『宇宙飛行士だから知っている すばらしき宇宙の図鑑』)

宇宙の食事情。宇宙でも人気な食事は?

人類で初めて宇宙を飛行したソ連のユーリ・ガガーリンは、初めて宇宙で食事をした人でもあります。この時の食べ物はペースト状でチューブに入っていました。

宇宙飛行士だから知っている すばらしき宇宙の図鑑
『宇宙飛行士だから知っている すばらしき宇宙の図鑑』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

20世紀中の宇宙食は、チューブ入りやフリーズドライなどが多く、アポロ計画で月へ向かう宇宙飛行士は70種類の食品から選ぶことができました。

その後、宇宙飛行士たちが「長期滞在のために、宇宙食のバラエティを増やしてほしい」と強く要望したこともあり、2004年以降はISS国際パートナー各国が宇宙食を供給できるようになりました。

日本はJAXAが国内のメーカーの食品を宇宙食として認証する「宇宙日本食認証」プログラムを実施 。カレーやハンバーグといった食事メニューから、しょうゆなどの調味料、ようかんなどのおやつを含め、47種類が加わっています。

すでに宇宙食は、300種類を超えているそうです。私が食べた食事を挙げるなら、ステーキやうな重、ほうれん草のクリーム煮などがありました。

ちなみにカレーライスは宇宙でも人気です。

野口 聡一 宇宙飛行士

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のぐち そういち / Soichi Noguchi

博士(学術)。1996年5月、NASDA(現JAXA)の宇宙飛行士候補者に選抜、同年6月NASDA入社。2005年スペースシャトル「ディスカバリー号」で、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在、3度の船外活動をリーダーとして行う。2009年、ソユーズ宇宙船に船長補佐として搭乗。2020年、日本人で初めて、民間スペースX社の宇宙船に搭乗、約5か月半、ISSに滞在した。4度目の船外活動(EVA)や、「きぼう」日本実験棟における様々なミッションを実施し、2021年5月、地球へ帰還。主な著書に『どう生きるか つらかったときの話をしよう 自分らしく生きていくために必要な22のこと』アスコム刊がある。

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