学校で習った「英語の発音が怪しい」問題の真相 ネイティブに聞いてみた「of course」の発音

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ofの/v/が無声音になって/f/に変化します。used toはちょっと複雑です。

usedの/d/(ドゥ)のあとに、同じ破裂音の/t/が続きますので、/d/は発音をする直前の閉鎖状態で止まったまま音を破裂させない「無解放閉鎖音の/d̚/」になります。つまり、/d/は音としては聞こえませんので、事実上/z/のあとには/t/の音が来ることになるのです。そのせいで、/z/が/t/の影響を受けて、無声音の/s/に変化します。

ネイティブ15人に聞いてみた!

have toやused to、of courseは1つの表現として確立した成句ですが、文中で偶然に「haveとto」や、「usedとto」が続いたときにも、have to、used toのときと同じように「逆行同化」は起きるのでしょうか。それを確かめるべく、ネイティブの同僚15人にアンケート調査をしてみました。すると、予想外の展開に……。これらの単語が偶然に続いたときの話以前に、of courseでは「逆行同化」が起きないかもしれないという疑惑が浮上してしまったんです。

have toとhas to、used toは全員一致で「逆行同化」が起きるという回答でした。そもそも発話をする時点で、「ハフトゥ」「ハストゥ」「ユーストゥ」というように「逆行同化」後の発音で言おうとしているとのこと。ところが、of courseについては、15人中13人が、「逆行同化」をしない/v/の音で「オヴコース」と発音していると言うのです。/f/の音で発音しようという意識はまったくないのだとか。すっかり「オフコース」と刷り込まれていた筆者はビックリ!

でも、もしかしたら「オヴコース」と言っているつもりでも、実際に発話する際には「逆行同化」が起きて「オフコース」になっているのではないかと思い、「自分がどう発音しようと思っているかではなく、実際に発音してみたときの音を教えてほしい」と聞いてみました。それでも11人が/v/だと答えたのです。残り2人も「少し軽めの音になっているかもしれないが、/v/の音」という回答。

ではここで、皆さんに日本語に関する質問です。「『銀行』の『』と『音痴』の『』は同じ発音か?」と聞かれたら、皆さんはなんと答えますか。実は日本語の「ん」には6通りもの異なる発音があって、たとえば「銀行(ぎこう)」「音痴(おち)」「天ぷら(てぷら)」「案内(あない)」「ボタン(ぼた)」「単位(たい)」という単語に出てくる「」の音はそれぞれ、音声学的には異なる音だなんて知っていましたか。日本語のネイティブだからといって、かならずみんなが知っていることではありませんよね。きっと英語も同じで「音声学を学んでいなければ、自分の発音がどのようになっているのかはわからないのではないか?」と、ちょっと疑ってみることにしました。

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