「自分の利益」で人脈づくりをする人には近づくな 人脈を作りたいなら「何を提供できるか」考えよ

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「あの晩、リチャードのEメールアドレスを手に入れたのは、きっと私だけだと思う」とジョーは語る。数年が経ち、リチャードはジョーのイベントで何度もスピーカーを務め、プライベートなバカンスも何度も共にした。実際、ジョーはリチャードと多くの時間を過ごしてきたが、こうしたチャンスは、ジョーがリチャードに時間を割いてほしいと頼んだから生まれたわけではない。ジョーが、リチャードの役に立ち、彼が安心して一緒にいたいと思える人物だったからだ。

「相手にどんなメリットがあるのか?」と自問せよ

ジョーの行動はそこで終わらなかった。リチャードにアイデアを渡した後、ヴァージン・ユナイトの経営者ジーン・オーウェンを取材できないかと申し出た。それができれば、ジョーがそのインタビューを自分の知り合いや購読者、ファンに拡散するというのだ。

ほかの人に役立つ「誰か」になるにはこのジーンのインタビューを通して、さらに多くの人が、ヴァージン・ユナイトのことを知り、刺激を受けて、この活動に参加したいと思うようになった。

実際、リチャードの「ロック・ザ・カスバ」と名付けられた資金調達のイベントには、ジョーとジーニアス・ネットワークを通して92人が参加し、それぞれ2500ドル(約29万円)をヴァージン・ユナイトに寄付した。その夜に行われたチャリティーオークションも大盛況だった。結果、ジョーはこの慈善事業に数百万ドルを集め、リチャードにとって最大の資金調達者となった。

WHO NOT HOW 「どうやるか」ではなく「誰とやるか」 
『WHO NOT HOW 「どうやるか」ではなく「誰とやるか」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

このストーリーに込められた教訓はこうだ。何か意味があるものを提供できないのであれば、誰かに近づこうとしてはいけない。この「何か」は、単なるお世辞やおべっかではなく、実体があり、当事者と関係性のあるものでなければならない。真の価値であり、実質的な価値でなければならない。そして、人間関係を継続させたいのであれば、その価値を生み続けなければならない。

「誰か」と人間関係を築きたいのであれば、「彼らにどんなメリットがあるのか?」と自問すること。ビジョンを作成する際にも、そのビジョンがその「誰か」の目的と一致し、彼らの個人的な願望の実現に、明らかに役立つものでなければならない。

ダン・サリヴァン Strategic Coach共同設立者

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Dan Sullivan

起業家精神についての第一人者であり、世界中の誰よりも、成功した起業家たちを指導してきた。一流の起業家コーチングプログラムを提供しているStrategic Coachの共同設立者であり、起業における成功に関する50以上もの著書がある。Strategic Coachは、30年以上にもわたり、2万人以上の起業家を指導してきた。

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ベンジャミン・ハーディ 組織心理学者

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Benjamin Hardy

組織心理学者であり、ベストセラー『FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略』(サンマーク出版)と『Personality Isn’t Permanent』(未邦訳)の著者。ブログは1億人以上に読まれ、Forbes、Fortune、CNBCなどで取り上げられた。また、2015年から2018年まで、Medium.comのナンバー1ライターであった。彼と妻のローレンは、2018年2月に里親制度を利用して3人の子どもたちを養子に迎え入れ、2018年12月には夫妻の間に双子が生まれた。現在はフロリダのオーランドに住んでいる。

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