「自分の利益」で人脈づくりをする人には近づくな 人脈を作りたいなら「何を提供できるか」考えよ
ダンはジョーのことを「ノード(結節)」と呼ぶ。ノードとは、線や経路が交差したり分岐したりするポイント、つまり中心点や接続点のことである。ジョーが自分自身のために、人に働きかけ、人間関係を構築し、維持する方法は確かにユニークだ。ただし、それだけでなく、ほかの人の人間関係の構築を助ける際にも、彼は独自の手法を用いる。
彼は、自分が中心となって皆の問題を解決しようとするのではなく、世界レベルの起業家、専門家、マーケター、医者、インフルエンサー、イノベーターからなるネットワークをつくった。
ネットワークには簡単には入れない
ジョーのネットワークのように、レベルの高い人たちとうまく付き合うには、本物のコネクションや「変容をもたらす人間関係(Transformational Relationships)」がどのような働きをするのかを理解する必要がある。
ジョーのネットワークに入るには、かなり大変な審査プロセスを経なければならない。そうして入会した後、ネットワークを最大限に活用したいのであれば、社会で一般的とされる方法とは正反対のやり方で、人間関係への働きかけをしなければならない。
この、高レベルで戦略的、意識的なやり方を、人間関係に働きかける方法として一度理解してしまえば、基本的に誰とでもつながりを持てるようになる。10倍、100倍、あるいはそれより大きな規模の協力体制をつくれるようになる。つまり、時間の経過とともにリターンがどんどん増えるような人間関係をつくれるということだ。
また、劇的な方法で、自分の人間としての幅を広げ、成長することもできるようになる。
目標は、自分のフィルターに磨きをかけ、本当の意味の人間関係の自由を享受できるようになることだ。これは、単に、自分の目標達成に必要な「誰か」と知り合いになる手段が増えることだけでなく、全体としてより深く、より質の高い人間関係を築けるようになることを意味する。
「私にどんなメリットがあるのか?」はよくある質問だが、ジョーはそのような聞き方はしない。彼は、「彼らにどんなメリットがあるのか?」と尋ねる。
「私にどんなメリットがあるのか?」は、人との距離を縮めたいときに問うには最悪の質問だ。この自分本位な「テイカー(奪う人)」特有の考え方では、「変容をもたらす人間関係」を構築することはできない。