「日本ミャンマー協会」から企業の退会が続く事情 国軍擁護の姿勢が加盟企業のビジネスリスクに

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渡邉会長は自身でも国軍と連携してビジネスを進めようとしてきた。渡邉会長が代表取締役を務める「日本ミャンマー開発機構」(東京・千代田区)と、ミャンマー国軍系の持ち株会社「ミャンマー・エコノミック・コーポレーション」(MEC)の関連会社「アンバー・インターナショナル」は、現地合弁企業のJMDPを設立。JMDPはミャンマーの最大都市ヤンゴン郊外ミンダマ地区の国防省所有地で、大型ショッピングセンター建設を計画していた。

そして、そこに渡邉会長の紹介でイオン子会社のイオンモールが入居する検討が進められていた。コンサルタント会社の試算によれば、年間の土地賃借料は約3億円。国軍と国防省は事実上一体であるため、賃借料は実質的に国軍の収入となる。

ところが、ミャンマー国軍による少数民族ロヒンギャへの人権侵害に関して国連人権理事会が調査報告書を2019年8月に公表し、JMDPは「国軍と関係のある企業」として名指しされた。東洋経済の取材によると、イオンモールは同報告書を機にミンダマ地区でのプロジェクトに参加しないことを決めた。

なお、MECについては、アメリカヨーロッパ連合(EU)がクーデター後に経済制裁の対象にしている。

さらなる会員離脱は不可避か

渡邉会長が国軍を擁護することは、会員企業にとってリスクになりつつある。とりわけ欧米などでビジネスを展開する大手企業にとって容認しがたいものだ。

日本政府は2021年10月、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」をもとに行動計画を策定。多くの企業が人権方針を定め、個別のビジネスごとに人権上問題がないかをチェックし始めている。

日本ミャンマー協会は6月28日、東京都内で定時社員総会を開催する。その場で渡邉会長はどのような発言をするのか。国軍の肩を持ち続けるのであれば、会員企業のさらなる離脱は避けられないだろう。なお、日本ミャンマー協会や渡邉会長は東洋経済の取材に応じていない。

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