「日本ミャンマー協会」から企業の退会が続く事情 国軍擁護の姿勢が加盟企業のビジネスリスクに

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ある協会関係者によれば、三菱商事の退会について渡邉会長は「大変なショックを受けていた」という。別の関係者も「さんざんビジネスの世話をしてやったのに何たる不義理かと憤っている」と証言する。三菱商事はミャンマーでの天然ガス開発からの撤退方針を2022年2月までに固めている。協会からも退会し、同社のミャンマービジネスは転機を迎えた可能性がある。

主要企業の退会が相次ぐ背景には、渡邉会長の「親ミャンマー国軍」的な姿勢があるとみられる。

会長は「クーデターは正当な行為」

渡邉会長のミャンマーとの関係はかつての軍事政権以来、30年以上に及ぶ。渡邉会長はクーデターの首謀者であるミン・アウン・フライン国軍総司令官との親交を事あるごとに誇示。日本政府や衆参両院がクーデターや市民への人権侵害を非難しているのとは対照的に、クーデターについて「憲法に則った正当な行為」だとして国軍を擁護する姿勢を取り続けている。

2021年6月30日に開催された協会の定時社員総会では、令和3年度事業計画・方針案が採択された。同方針案は、2020年にアウンサンスーチー氏率いる文民政権下で実施された国政選挙について「度重なる不正があった」とする一方、クーデターについては「憲法の規定に基づいた法律手続きによる」ものだと説明している。

さらに、2021年10月の理事懇談会で渡邉会長はミャンマー出張の報告を行い、「憲法に基づいて行った軍の行為を完全否定することは内政干渉にも値する」と日本政府や衆参両院の姿勢を激烈に批判している。そして、ミン・アウン・フライン司令官と長時間話し合い、「彼の親日の気持ちをほぐしてくることができたと思っております」と自画自賛している。

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