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やっぱり円高が今の日本を救うと断言できる理由 過度な円安を修正しても景気は悪くならない

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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第1の誤りは「為替に働きかけることを金融政策の目的とはしないから、円安により金融政策を変えることはない」という説明だ。

日銀が普通の金融緩和策を行っているのであれば、それは正しい。しかし、今行われているのは「異次元緩和という緊急避難的な政策」であり、これを長期に継続すること自体が間違っている。そのひずみが極端な円安になっているのだ。

だから、その誤りを修正する義務がある。為替に影響を与えようとするのではなく、現在の金融政策が為替に悪影響を与えてしまっているから、金融政策を正しい方向に修正するのである。為替を目的としないからこそ、異次元緩和、イールドカーブコントロールを止める必要がある。

第2の誤りは「現時点で円安を修正するように金融引き締めを行えば、輸入コスト高で悪化しかかっている景気をさらに悪化させることになる。だから金融引き締めはできない」という主張だ。これも180度間違っている。

円安修正のための金融調整は景気にプラス

確かに輸入コスト高で景気は悪くなっている。だから、コスト高を和らげればよい。

日本の物価上昇・コスト高は、ほとんどすべて海外要因である。だから、引き締めしないというが、逆である。海外要因だから、円安が修正されれば、コスト高の影響はすぐに緩和される。原油価格の上昇でガソリン、電気代が2倍になったが、円安でそれは3倍に拡大した。

もし円安を修正すれば、原油は3分の1安くなる。景気悪化の原因が輸入財価格の高騰なのだから、為替がいちばん効果があるに決まっている。円安修正のための金融政策調整は、景気にプラスだ。

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【第3、第4の誤りとは?】

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