0.5%の利上げで覚悟を固めていたところ、日本時間の6月16日3時に公表されたFOMC(アメリカ連邦公開市場委員会)の判断は0.75%の利上げとなった。
えっ? そんなの聞いていないぞ! と焦った個人投資家は少なくないだろう。
3段飛びの利上げを実行した連銀
同国の連銀が利上げするときの刻みは、普通は0.25%ずつである。3月に行われた最初の利上げはもちろん0.25%だった。それが5月には、えいやっと0.5%になった。
その直後に筆者は当欄で、「『FRBの利上げ0.5%』でぬか喜びをしてはいけない」 と警告を発したのであった。いいですか、利上げだけじゃないですぞ、もっと気をつけなきゃいけないのはQT(量的引き締め)のほうでありますぞと。
さらに今回は、利上げが3段飛びになったわけである。0.75%という幅の利上げは、1994年11月以来というから、なんと27年7カ月ぶり。かなり思いきった動きである。
しかも、6月10日に5月のCPI(消費者物価指数)が公表される直前まで、市場は「しばらくは0.5%ずつの利上げ」という予想を織り込んでいた。連銀には「ブラックアウト期間」という決まりがあり、FOMC会合が近づくとメンバーはメディアや講演会での発言をつつしむことになっている。
ところが今回は、13日のウォールストリートジャーナルにリーク記事を流してまで、「0.75%で行きます!」と変更を伝えたのである(”Fed Likely to Consider 0.75-Percentage-Point Rate Rise This Week” )。
それくらい10日に公表されたCPIが衝撃的な内容だった。事前の市場予想は前年比8.2%の上昇で、水準は高いけれどもさすがに物価にはブレーキがかかるだろう、というものであった。
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