日経平均株価の上昇を阻む「本当の敵」とは何か? 欧米のインフレ懸念は続くがそれだけではない
いよいよ、世界の株式市場に大きな影響を与えるアメリカのFOMC(連邦公開市場委員会)開催日が14~15日に迫ってきた。結果が発表されるのは日本時間の16日3時の予定だ。
ECBの「9月0.5%利上げ示唆」はサプライズだった
それに先立つ先週の9日に欧州で開かれたECB(欧州中央銀行)定例理事会では、予想どおり政策金利は据え置かれた。だが一方では「量的緩和を7月1日で終了、0.25%の利上げに着手する」とのフォワードガイダンス(将来の金融政策を前もって表明すること)も発表。さらに、インフレが一段と悪化した場合には9月に0.5%の利上げの可能性も示唆、2022年のGDP見通しも大幅に引き下げた。
量的緩和の終了やGDP見通しの引き下げは予想の範囲内で驚きはなかったが、ECBの9月の0.5%利上げの示唆はサプライズであった。世界が注目している今回6月のFOMCでの最大の焦点が、まさに9月の政策動向だったからだ。
すでにFOMCの6月会合とその次の7月会合では、政策金利0.5%の連続引き上げは既定の事実である。だが、さらにその次の9月(8月は会合がない)における予測は、今のところ大きく分かれている。
アメリカでは「一時的」ともいわれた消費者物価の上昇は、収まる気配がまだない。だが、市場では9月の見通しについては「さらに引き上げレベルを上げて0.75%にせざるをえない」という見方と、「秋には収まるので、その気配を見せる9月は一度利上げを休む」という見方と、その中間説の合計3つの説が並行して走っている状態だ。
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