第3の誤りは、日本経済へのインフレ圧力はアメリカのような労働市場の逼迫からの賃金上昇ではなく、輸入コストの上昇という対外的要因だから、国内の金融政策は変えない、という点だ。
違う。対外要因だからこそ、為替水準に大きな歪みを与えている金融政策を変更する必要があるのだ。
第4の誤りは「金融緩和は絶対に継続する。だから変更はできない」という主張だ。まったく正反対だ。このままでは、金融緩和の継続はできなくなる。緩和の持続性が危うくなっているからこそ、トリッキーな連日指し値オペを止めて、普通の国債買い入れを行い、投機的トレーダーを追い払う必要があるのだ。
金融緩和継続のためにこそ政策変更が必要
たとえ一時的には長期金利が上昇することになっても、中長期的な長期金利水準を安定的に低い水準に維持するために、現在の政策の調整・変更が必要なのだ。緩和継続のためにこそ、今、政策の調整が必要なのだ。したがって、異次元緩和の正常化とは金融緩和に資するのであり、決して引き締めではないのである。
しかし、最大の責任は有力な経済メディアやエコノミストたちにある。彼らが依然として「為替変動には金融政策ではなく、財政と為替介入で対応しろ」などと間違ったことを言っている。
また、日銀の政策変更について「日銀が誤りを認めること」「日銀の負け」という位置づけで報道・批判を行う。違う。調整は、日銀が自ら正しい金融政策を持続するために行うものであり、まさに正常化なのである。
国内の議論が正常化すれば、日銀も正しい妥当な金融緩和政策へと舵を切ることができ、投機的トレーダーも消え、為替市場も正常化されるだろう。
(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレース予想や競馬論を語るコーナーです。あらかじめご了承ください)
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