「買わない生活」がお金を回すことにつながる理由 「本当の意味」で「お金を制する」ということ

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ってことはですよ。私が使ったお金は、間違いなく私の幸せとなってちゃんと「帰ってくる」んである。ウナギの稚魚を放流したらでっかいウナギになって帰ってくるような感じである。使って終わり、なんてことは全然ない。そう思うと、貴重なお金を「使ってしまう」ことに罪悪感を持ったり不安を感じたりする必要もないのである。何しろでっかくなって帰ってくるわけですから。

ってことに気づいてしまえば、これはもう心置きなくじゃんじゃんお金を使える。自分のために使えばロクなことにならぬお金も、人のため(チーム稲垣のため)に使うとなれば、お金を使うほどに、自分の好きな人たちの元気と笑顔の花が増えていく。その世界の中心に自分がいるのである。お金を使うほどに幸せがやってくるんである。

……ってことになるはずだったんです。だってこれ、どう考えても最強の方法としか思えない。「買わない」の果てにたどり着いた、本当に幸せを呼ぶ「買う」生活! ここでシャンシャンと終わってもいいところである。

使う金額に限界があるという「問題」

ところが。しつこいようだがここにもまたまた難題が待ち構えていたのであった。

というのもですね、結局のところ私は服も化粧品も買わず電気もガスもほとんど使わない質素な生活をこそ愛しているのであり、「じゃんじゃん」使おうにもたかが知れているのだった。スーパーの100円以下の豆腐でなく近所の豆腐屋で150円の豆腐を買ったところで、あるいは海苔もスーパーの特売品じゃなく専門の茶店で買うようになったところで使う金額的には限界がある。

また好きな日本酒にしても、大吟醸などではなく普段飲みの燗酒を好むので、日本でも最高峰にうまい酒を飲んだとてワインなどに比べて不当なほどの安さ(これはもっと値段を高くすべきと心から思っている)なのである。

また、遠くの国からやってきた季節はずれの珍しい野菜や果物より、そこらでフツーに取れる季節の野菜を圧倒的に好むうえ、ゴミを出すのが嫌なので、どうしても売れ残りの特売品に喜んで手を出したりもしてしまう。そんなこんなで、結局「お金をじゃんじゃん使う」なんてことは、どうやっても私にはめちゃくちゃ難しい相談なのであった。

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