青木さやかさん「パニック症が楽になった言葉」 生放送で心臓ばくばく、脂汗に手汗の日々

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これが功を奏し、突然のバクバクは減った。2週間に1度通院をしながら、クスリを少し増やしてみたり、不安や様子を伝えてみたり、クスリを減らしてみたり、した。

おかげさまで心配は減った。

クスリがあればある程度大丈夫である、という自信がついて、それが安心につながって、仕事中の脂汗も減った。なくなったわけではないので、ばくばくしてきたら仕事中にクスリを飲んだ。

10年近く飲んでいたクスリも今は飲んでいない

なんとなくだが、体力が落ちると、ばくばくが増えるような気がして、わたしは夜は、ほとんどどこにも行かなくなった。職場でパニックの話をすることはなかったので、驚くほど付き合いの悪い人間だと思われていたかもしれない。一昔前なら、「先輩が声かけたのに来ない後輩」と言われていたかもしれない。逆にわたしが先輩の立場でも、昔ならそう言っていたこともあったかもしれない。

自分がその立場になってみると初めてみえてくることがあるものだ。

さて、10年近く飲んでいたクスリも今は飲んではいない。ある日、クスリを飲み忘れたのだ。あんなにクスリのことしか考えていなかったわたしが。

そしてある日、クスリを飲み忘れていたことを、忘れていたのだ。そんな日が続き、ある時クスリの入った袋を持っていかなくてもよくなり、ある時、クスリの入っている瓶を、戸棚の奥にしまった。

クスリを飲まなくなってから2年近く経っている。

公表してから、パニックである方たちは、わたしと同じように家族にも伝えていないケースが多いのだということを知った。ひとりで悩み、平気な顔をしようと努力しながら、仕事をしているということなのだろう。

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