食べログ点数訴訟に連なる「AIによる差別」の恐怖 カカクコムが焼き肉チェーン店に地裁判決で敗訴

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さまざまな分野でアルゴリズムによる評価がビジネスの明暗を左右する状況になっています(画像:食べログ公式サイト)

焼き肉チェーン「KollaBo」を運営する韓流村が飲食ポータルの食べログを訴えた裁判で食べログが敗訴しました。韓流村では2019年5月21日に経営する21店舗のチェーン店のうち19店舗の点数が一斉に下落したそうです。報道によれば最も下落幅が大きかった中目黒店では3.51から3.06に下がったといいます。

点数が3.51から3.06に下がった意味

私は以前、戦略コンサルティングの仕事で食べログの点数を詳しく調べたことがあるのですが、当時は東京の飲食店の場合、上位2割あたりで3.25、真ん中あたりが3.08の点数になっていたと記憶しています。3.51だったらかなりおいしいお店の成績とユーザーから評価される一方で、3.06は並みのお店と見られるわけですから、これは経営者側からみたらたまらないでしょう。

テレビ東京「WBS」の取材に韓流村が答えたところによれば食べログの評価アルゴリズム変更をきっかけに各店の評価点は平均で0.17下落し、来客数は月6000人減少、売り上げは月2500万円減少したということです。そして韓流村は2020年5月に「この変更は独占禁止法に違反する」として約6億4000万円の損害賠償を求めて食べログを提訴したのです。

6億4000万円の賠償とは大きすぎないかと思うかもしれませんが点数下落から3年の間に単純計算で顧客が延べ22万人減り、売り上げが累計で9億円減ったとして、さらにその減少の原因の多くが食べログの点数によるものだと仮定したら確かにお店にとっては死活問題です。

そもそもアルゴリズムとは何でしょうか。デジタル大辞泉によれば「ある特定の問題を解いたり、課題を解決したりするための計算手順や処理手順のこと。これを図式化したものがフローチャートであり、コンピューターで処理するための具体的な手順を記述したものがプログラム」という説明がなされています。

この記事の前半ではこの食べログ訴訟で公正取引委員会も巻き込んでどのような検討が行われていたのかをまとめます。そして記事の後半では実はこの問題、みなさんの個人の権利をも侵害しかねない最先端のITの問題だという話をしたいと思います。

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