「ユニクロ一辺倒」男がスーツに目覚めたワケ 好印象を与えるのに最も手っ取り早い方法
長年コンテンツ業界で仕事をしてきた岩崎夏海氏が、その中で培った「価値の読み解き方」を駆使し、混沌とした現代のライフスタイル感をつづります。本記事は岩崎夏海メールマガジン「ハックルベリーに会いに行く」(夜間飛行)からの転載です。
みなさんは、服について真剣に考えたことがあるだろうか? 恥ずかしながら、ぼくは30代の後半になるまで、あまり考えたことがなかった。というより、服をちょっと軽視しているところがあった。
高校生の頃、ぼくは自意識がとても強かった。自意識が強い人間は、周囲の目を気にする。ぼくは、誰が見ているわけでもないのに、いつも周囲の目を気にしていた。
とにかく目立たない服を
そして、その頃のぼくが最も怖れていたのは、「かっこつけてる」と思われることだった。ぼくは、「かっこつけることほどかっこ悪いことはない」と思っていた。だから、「かっこつけてる」と思われるのが本当に怖かった。
かっこつけていると思われるのを怖がったぼくは、自然と無難な服しか着ないようになった。その頃は、ジーパンにネルシャツ、冬は上にセーターを着る――というのが定番だった。トレーナーを着ることもあった。いわゆるオタクのような格好をしていた。そうして、とにかく目立たないよう目立たないよう心掛けていたのである。
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