「ユニクロ一辺倒」男がスーツに目覚めたワケ 好印象を与えるのに最も手っ取り早い方法

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そうしてぼくは、ますます服装に気を遣うようになり、その知識をさらに深めようと、服についての本を読むようにもなった。そんなときに読んだのが、この一冊である。『スーツの適齢期』(集英社新書)。

この本は「王様の仕立て屋」という、ぼくがやっぱり服を勉強するうえで参考にしているマンガのアドバイザーを務めている片瀬平太さんという方が書いたもので、そこでは、服装――特に男性がスーツを着こなすことの意味について、詳しく書かれている。

誰のための装いか?

この本の中で、ぼくは、ぼくの目を見開かされるような言葉と出会う。それは

「男の場合、自分のために装っているうちは、年はどうあれ、まだ子供だ。誰かのために、その場のために、ふさわしい装いを整えることができるようになって、はじめて大人といえる」

というものである。

それでぼくは、着飾るということは、ぼく自身のためではなく、相手のためなのだという考えを、初めて知ることができたのだ。そのためこれ以降は、相手のためだと思うことで、思う存分かっこつけることができるようになったのだ。

 

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岩崎 夏海 作家

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いわさき なつみ / Natsumi Iwasaki

1968年生。東京都日野市出身。 東京芸術大学建築科卒業後、作詞家の秋元康氏に師事。放送作家として『とんねるずのみなさんのおかげです』『ダウンタウンのごっつええ感じ』など、主にバラエティ番組の制作に参加。その後AKB48のプロデュースなどにも携わる。 2009年12月、初めての出版作品となる『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(累計273万部)を著す。近著に自身が代表を務める「部屋を考える会」著『部屋を活かせば人生が変わる』(累計3万部)などがある。

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