「親自身の人生を振り返る」と子育てが楽になる訳 何があっても「なんとかなる」と考えるとよい

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毒親になってしまいそうなとき、子育てとどう向き合えばいいのでしょう(写真:kikuo/PIXTA)
「子どもにイライラして怒ってしまう」「言わなくていいことまでつい言ってしまう」「正直手をあげてしまったこともある」――。子育てでこんな風に悩む方は多いのではないでしょうか。子育ては不安や心配などがつねにあり、毎日とてもストレスフルです。その一方で、世の中では「子育てができてあたりまえ」「誰でもやっているもの」というイメージがもたれていることが多く、それが、ますます親御さんを苦しめています。子育てとどう向き合えばいいのでしょうか。精神科医の井上智介氏の新著『毒親になりそうなとき読んでほしい本』を一部抜粋し再構成のうえお届けします。

「持続可能な子育て」を目指す

子育ては非常に長い期間かけてやるものです。長いからこそ「持続可能な子育て」を目指してほしいというのが私の思いです。長い子育てのなかには、失敗するときやうまくいかないときは必ずあります。いくら自分がされて嫌なことはしないと強く思っていても、不適切な対応をしてしまうときはあります。

でも、そのときに自分の行動を正当化せずに、自分の過ちを認めて、子どもにきちんと謝ることが何よりも大切です。親のその言葉が、子どもの傷の癒やしになっていくことはまちがいありません。

そして親である自分が不完全であることも認めていく。それは勇気のいることですが、不完全だからこそ、ときに子どもに不適切な対応をしても謝るし、不完全だからこそ、まわりの人に頼ったり、病院や行政、学校などに助けてもらったりすることをあたりまえにできるのです。

持続可能な子育てにおいて重要なことは、いろいろな人の考え方をとり入れることです。病院や学校、児童相談所、友達、ご近所さん、それだけでなく本や動画というパターンもあります。

つまり、いろいろな人の考え方もあるということを知らないと、親が育児のプレッシャーから解放されることはありません。ただし、いろいろな人が介入すると、よけいなことを言われて、さらにプレッシャーを感じて苦しくなってしまうこともあります。自分が安心したいがために、自分のやり方を強要する人もいるからです。

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