条件つきで愛情を与える親の典型的なNGパターン 子どもの「恐怖心・罪悪感・義務感」を過剰に刺激

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教育虐待について、もう少しくわしくお話ししましょう。教育虐待しがちな親というのは、高学歴か学歴コンプレックスを抱えているか、そのどちらかです。中間はあまりいません。

高学歴なら満たされた生活をしている人が多いので、それが正しい道であって、子どもにも正しい道を歩ませてあげたいと思うのです。

だから勉強しなくてはいけないという考えのもと、子どもに勉強させるわけですが、自分だったらこれくらいはできた、と子どものキャパシティーを考えずに必要以上の叱咤激励をするのです。子ども目線でなく、自分目線で判断してしまい、その結果、子どもを苦しめることになります。

一方、学歴コンプレックスを抱えている人は、自分に学歴がなかったせいで、人生がうまくいっていないと考えてしまいます。

子どもに同じ思いをさせたくないから、勉強しなさいと言って友達と遊ぶのをやめさせたり、塾はここに行きなさいと子どもに干渉したりします。子どもの部屋に勝手に入って、勉強に必要のないマンガやゲームをどんどん捨てるといったことをする親もいます。

遊ぶことも成長には大切!

しかしながら子どもの成長には当然、友達と遊ぶこと、親子でスキンシップをとること、夜きちんと寝ること。勉強以外にも大切なものがたくさんあります。いろいろな経験をして失敗しながら、善悪を身につけて成長していくものです。それをすっ飛ばして、すべて勉強だとなってしまうのは、非常に危ないことは言うまでもありません。

とかく教育虐待というのは、外からは見えにくく、親はいわゆる「教育熱心な親」と片づけられて、発見されにくいのが実情です。

いちばん重要なのは、子どもの素直な気持ちですが、そもそも子どもはそれをうまく出せません。教育虐待をする親がよく言うのが「子どももそうしたいと言った」ということです。しかし大前提として、子どもは自分の気持ちをすべて口で伝えることはできません。

子どもがいくらいいと言っても、それは親の期待する答えに対して言っているだけで、6か7くらいはいいけれど、3か4は嫌だと思っているかもしれません。子どものネガティブな気持ちにも目を向けて、共感してあげないと、できなかったときに「あなたがやるって言ったんでしょう」となってしまうのです。

教育虐待がエスカレートすると、子どもはだんだん精神的に追い詰められて、おなかが痛い、体がだるいと不定愁訴を訴えてきます。小学校高学年になって、おねしょをするなど赤ちゃん返りをしたり、目をパチパチさせる、体を揺らすといった運動性のチック症状が出たりすることもあります。親との関係は、それほど子どもの心身に影響を与えてしまうのです。

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