条件つきで愛情を与える親の典型的なNGパターン 子どもの「恐怖心・罪悪感・義務感」を過剰に刺激
3、育児放棄(ネグレクト)は、全体の15%くらいあります。食事を与えない、服を着がえさせないというケースが典型的ですが、子どもを家や車に残して出かけてしまう、子どもが病気やケガをしているのに病院に連れていかないのも、育児放棄の1つです。
病院に連れていくとなると、親からするとけっこうお金がかかるので、「がまんしなさい」「寝ていれば治る」と子どもの病気を軽く見て、連れていかないことがあるのです。実際何もなかったとしても、子どもからすれば「痛いのに親は何もしてくれなかった」というつらい思いだけが残ります。
また最近、話題になりつつあるのが、親がスマートフォンを見すぎていること。親がずっとゲームをしていたり、SNSに夢中になっていたりして、子どもの気持ちや親に求めるものを無視している。親がスマホにかまけすぎて、子どもをまったくかまっていないこのケースは、ネグレクトの前段階といわれています。
4、性的虐待は、親が子どもに性的なことを強要したり、子どもに性行為をしたりするものです。非常にショッキングなことですが、全体の約1%といわれています。
割合としては少ないですが、子どもから言い出しにくいのはもちろん、子どもの年齢が低いと、そもそもそれが虐待であることに気づいていないこともあるので、本当は1%どころではなく、もっと件数は多いだろうといわれています。
実は子どもが嫌がっているのに、おふろにいっしょに入ることを強要したり、親がおふろ上がりに裸でうろちょろしたりというのも、性的虐待に近い行為なのです。
この4つが、子どもの恐怖心をあおる毒親の典型パターンです。
過干渉は毒親の出発点
毒親の典型例の2つ目は「子どもの義務感をあおる」。その出発点となるのが、親の過干渉です。
よく過保護と過干渉は違うといわれますが、子どもが望んでいることを先回りしてやりすぎるのが過保護なのに対して、過干渉は子どもが望んでいないことを先回りしてやりすぎること。
つまり過干渉な親は子どもの気持ちや考えをいっさい無視して、服装、髪形、友達、習い事、進学先、部活……、なんでもかんでも決めてしまいます。親としては、これが正しいと思っているわけですから、別に悪いことをしているつもりはありません。
ですから子どもがこれをやりたいと言っても、違う、違う、ダメダメと全部否定します。これがエスカレートすると、いま、5つ目の虐待といわれている「教育虐待」に発展しかねません。
「子どものため」という大義名分で、一生懸命やるわけですが、親の目標となれば、もうきりがない、天井がない、どんどん上を目指したくなるので、非現実的な勉強量や練習量を与えて、結局それができないとどなったり、このままじゃ将来がダメになると脅したり、「お兄ちゃんと比べてダメじゃない」などと比較したりします。
そういうことを言われると、子どもは親の期待を裏切ったら悪いなとか、がんばらないといけないなという義務感が刺激されて、どんどんつらくなってしまいます。
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