子供も親も知らない「卒業式にいない先生」の正体 担任、部活顧問も担う「非正規教員」の実態

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非正規雇用の教員は担任や部活動も受け持ち、児童生徒や親から見れば正規教員と変わらない。写真はイメージです(写真:PIXTA)
公立学校では非正規雇用の教員が増え続けている。その数は全国の公立学校で5~6人に1人に上る。教師という職業に、いったい何が起きているのか。
特集「『非正規化』する教師」の第1回は、子どもや保護者の目からは見えない非正規教員たちの理不尽な働き方に迫る。
第2回:文科省が蓋をする「教師の非正規率」の衝撃実態
第3回:学校だよりで募集をかける「教師不足」の深刻度

「子どもや保護者は、誰が正規で誰が非正規なのかを知りません。だから、たった1年で学校を去ることに驚かれます。私自身、突然のお別れとなってクラスの子に泣かれたこともあります」

首都圏の公立小学校に勤める40代前半の川島和希(仮名)さんは、10年近い教員生活の中で、同じ学校に2年連続で勤めたことが一度しかない。

川島さんは民間企業勤務から教師に転身して10年目を迎える。これまで低学年から高学年まで幅広く担任し、時に若手教員と同じ学年を担当し、指導役も任されるなどしてきた。

だが、川島さんの立場は「臨時的任用教員」(常勤講師)と呼ばれるもの。民間企業でいうところの契約社員のようなものだ。川島さんはもう10年近く、この立場で雇われ続けている。

荒れたクラスを任される

「(正規職員と)同じ内容・責任を負わされるどころか、あえて難しいクラスを任されることもあります。『非正規だから潰れてもいい』と思われているんです」

川島さんは、非正規教員の境遇をそう嘆く。自身も過去に、任される学級がことごとく「荒れたクラス」だった時期もあるという。

「非正規教員は皆、次の年に仕事にありつけるかどうか不安です。だから頼まれた仕事を断れません。悪い評判が立つと困りますからね。その結果、正規教員より多くの仕事を抱え込んでいる人もいます」

川島さんがそう語るように、非正規教員が誰も持ちたがらないクラスの担任を任されたり、面倒な校務を担わされたりするケースは珍しくない。昨今は精神疾患で病休に入る教員も多いが、そうした場合に代役を任されるのも、多くの場合が非正規教員だ。

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