実際、「ソルテラのほうが、パワーステアリングのセッティングをbZ4Xより多少重めにしている」と小野PGMは言う。
また、スバルらしい走り味を追求したという点については、広報資料の中で「低重心ガソリンエンジンの水平対向エンジンとシンメトリカルAWDというスバルらしさを、ソルテラでも実感できるようセッティングした」としている。
具体的には、危険回避性能を見るダブルレーンチェンジ(時速73キロ)で、進入時と切り返し時それぞれを「フォレスター」と比較して、“ロール量が近い”という表現をしている。
筆者が「ソルテラ プロトタイプ」の雪上試乗会へ行くのに移動車として使ったフォレスターと「走りの感覚が似ている」と表現したことを裏付ける資料だと感じた。ただし、小野氏はガソリン車との比較として、フォレスターより車高が低い「XVを念頭に置いていた」とも説明している。
また、bZ4Xには設定のない、パドルシフトによる回生力のコントロールについても、ワインディング路での走行状況に応じてこまめに使いわけることで、エンジン車と比べて走りの楽しさが増す印象だった。
いずれにしても、東京から富士スピードウェイまでの道中、「今、スバル車に乗っているのだ」という実感がしっかりと沸いた。
想像と違ったbZ4Xの走り
今度はbZ4X 4WDの出番だ。こちらの走行ルートは、富士スピードウェイから新御殿場ICで新東名高速に乗り、駿河湾沼津SAで急速充電を実施。最高時速120キロ区間を走行して新静岡ICで降り、日本平周辺のワインディングを走行したあと、静岡駅前のホテルを終点としたものだった。
袖ケ浦レースウェイでの走行感想についてはすでに紹介したが、改めて乗ってみて「BEVとして違和感がない」「トヨタらしい素直な乗り味」という印象を持った。
サーキット走行では「bZ4X本来の持ち味が出にくい」とも感じたが、それは一般道や高速道路での印象の裏返しだろう。だからこそ、筆者は量産車で一般道や高速道路を走る機会を待ち望んでいたのだ。
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