これがアメリカの「軍事企業」トップ10だ ボーイング以外にも多くの優良企業が上場

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3位のロッキード・マーチンは、「どっぷり度合い」がかなり高い軍事企業だ。軍事向けの売上高は全体の約80%を占める。西側世界におけるベストセラー戦闘機のF-16ファイティングファルコンや、F-35ライトニングⅡ、F-22ラプターといった、第5世代ジェット戦闘機と呼ばれる最新鋭のステルス型戦闘機を製造する。

「米国会社四季報」は、「日本企業のように、米国の主要企業がわかるようになった」と好評だ

また、軍事用情報システム、ミサイル防衛システムなど軍事用の統合的な情報通信ソリューションサービスの開発も行っている。ロッキード事件を覚えている読者などにとっては、民間航空機のイメージが強いかもしれないが、すでに1981年に民間航空機事業からは完全に撤退している。2014年10月には、「大型トラックに搭載できるほど小さい核融合炉を10年以内に実用化できる」といった発表もしている。

4位のハネウェル・インターナショナルは、世界的な航空宇宙機器メーカーだ。軍事用の航空機、ヘリコプターやミサイルなどに搭載する統合電子機器、エンジン、機器システムや降着装置などを製造する。米国以外では日本が最大の顧客で、ハネウェルジャパンという日本法人も設立している。

5位のゼネラル・ダイナミクスは、軍事用重機械メーカーだ。ランキングで唯一、19世紀、1800年代設立の企業でもある。もともとは潜水艦を製造する軍事用船舶メーカーだったが、合併を繰り返して多角化し、現在は軍事産業のコングロマリットになっている。軍事関連の売上高は80%を超える。

主力製品としては、原子力潜水艦、M1エイブラムス戦車、ストライカー装甲車などがある。その他、複数の銃身が回転しながら連射するガトリング式機関砲も製造する。日本では、バルカン砲と言った方が、通りがいいかもしれない。

だが、バルカン砲はジェネラル・エレクトリックが開発した、M-16多銃身回転式の機関砲の商品名ということだ。また、かつては軍用機も主力製品だったが、1992年に同事業からは撤退している。現在、ロッキード・マーチン製となっているF-16ファイティングファルコンは、もともとはこのゼネラル・ダイナミクスが開発したものだ。

6位のノースロップ・グラマンは、航空機・艦船製造の最大手企業だ。航空機分野では、ステルス戦略爆撃機のB-2スピリット、艦上戦闘機のF-14 トムキャット、早期警戒機のE-2 ホークアイ、無人偵察機のRQ-4グローバル・ホークなどが主力。艦船分野ではミニッツ級航空母艦やロサンゼルス級原子力潜水艦などを製造する。

B-2スピリットといえば、黒い三角形のような特徴的なシェープもそうだが、なんといっても価格の高さが有名だ。世界一高価な航空機としてギネスブックにも登録されている。通常の戦闘爆撃機は、高いものでも400億円程度だが、B-2スピリットは2500億円近くするとも言われている。

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