東京ドームの「顔認証」実際使ってわかった不便さ 入場時は顔パスでも再入場時は紙チケにハンコ

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東京ドームでは、入場時のみならず売店などでの決済でも、顔認証システム「フェイスルー」が利用できる。が、筆者が訪れた時点では2店舗しか利用できなかった(写真:筆者撮影)

マンションやオフィス、商業施設などの不動産分野で顔認証システムを導入する動きが広がってきた。鍵やスマートフォンなどを取り出さずに、いわゆる「顔パス」で施設内に入退場したり、決済などの各種サービスを受けたりすることができる利便性が広く認識されてきたからだ。

現在、顔認証が本格的に普及してきているのが、大人数が利用する施設だ。三菱地所が東京・丸の内地区の建物や施設で利用できる共通IDシステム「Machi Pass」に今年3月から顔認証システムを追加したほか、三井不動産グループの東京ドームでも3月から顔認証システムの利用が始まった。4月にオープンしたeスポーツ施設「レッドトーキョータワー(以下・レッド)」も、入退場管理に顔認証システムを導入している。

顔認証システムの導入にあたっては、日本では個人情報保護の観点から慎重な意見も少なくなかった。それがコロナ禍で「非接触」へのニーズが高まり、顔認証への抵抗感も薄れつつあるようだ。はたして、顔認証システムはどこまで拡大するのだろうか。

東京ドームの「顔認証」を実体験

カギを握るのは、その使い勝手だろう。今回、東京ドームで顔認証システムを実際に利用する機会を得たので、その実情をルポしてみたい。
ゴールデンウィーク中に東京ドームで開催された巨人対阪神戦を観戦した。久々に東京ドームを訪れると、入場ゲート前には何百人もの来場者で長蛇の列ができていた。

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