「成績下がったらスマホ没収」に見える2つの問題 スマホ使い過ぎの高校生に親としてできること

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<方法1>ルールの完全撤廃

これまで行ってきた条件付きスマホの使用許可について、その条件もルールも撤廃してしまいます。つまり、いくらでも使ってもよいことにします。「そんなことをしたらはてしなくスマホ沼におちてしまう」と怖くなる親も多いと思いますが、それでもやったほうがいいです。

「なぜ完全撤廃か?」疑問に思うかもしれません。井上さんのお子さんは中学以来、ルールは守ってきたという実績があるため、あえて高校になったらルールを外し、今後は自己責任として、子どもを信頼するという証を作ります。ルールを完全撤廃された子どもは、親をどのように思うでしょうか。おそらく信頼されているという気持ちと、やらねばならない勉強に対しての意識が変わる可能性があるのです。さらに、次の2つをされてみてください。

(1)「ルールを守る子どもにすること」よりもまずは「子どもと信頼関係を築く」ことを優先するほうがいい

残念ながら、井上さんはお子さんに対する信頼が薄いと感じます。子どもも同じように思っている可能性があります。信頼度が低ければ、疑心暗鬼となり、スマホに限らずあれこれルールで縛るという方法に行き当たりがちです。

まずは、信頼関係を作りなおしましょう。そのためにおすすめなのは、「雑談」を主をとしたコミュニケーションの頻度をあげてみることです。雑談であれば上下関係がないフラットな状態でコミュニケーションがとれ、その量に比例して信頼関係が高まります。

(2)「スマホがあること」と「成績が下がる」に明確な因果関係はないと認識する

表面的にはスマホばかりさわっていて勉強しなくなったり、成績が落ちたように見えるでしょうが、冷静に考えてみれば、そこに明確な因果関係はありません。「勉強に対する認識が低いから、成績が下がった」と考えるほうが自然です。逆に、スマホのルールをあれこれ作ったところでやる気が出たり、成績が上がるともいえませんよね。親はまず、それとこれとは別と、問題を切り分けましょう。

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