若者に飲み会で言うとドン引きの説教ワード3選 飲みニケーション好きであってもやる気を砕く

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今の若者たちは表面的な協調性に長けているので、オトナの話が響いた風のリアクションをします。多少酔いが回ると、そういう相槌に気持ち良くなっちゃって、スイッチが入ってしまう。ついつい気が緩んで「俺が若いころはとにかくガンガンやってハチャメチャだったもんだ」などと暴走してしまいがちです。

若者へのアドバイスだったはずが、次第に武勇伝全開に……。もうそうなったら最後、若者は耳をパタンと閉じてしまいます。心はもはや幽体離脱して、その場にはいません。死んだ目で、オートマチックに相槌をうち、オートマチックにお酌をするのみです。

●NGワード1位「世の中そんな甘いもんじゃない」

新人が、なぜウチの会社を選んでくれたのか。この「どうなりたい?」「やりたいことは?」という問いかけは、若者との関係性を築くのにも、仕事の話につなげていくにも便利な話題です。で、新人はとりあえず面接で語った志望動機なんかを述べたりするでしょう。問題はここから。こうした新人の思いをオトナ世代は一刀両断しがちです。

反面教師で「NGワード」を学ぼう

往々にして会社説明会や採用面接なんかでは、自社の次世代事業戦略など魅力的なことが語られます。そうしたフレーズが刷り込まれた新人のトークは、現場を預かるオトナ世代には夢見がちで青臭く感じられます。

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そこでつい発してしまうのが「世の中そんな甘いもんじゃない」という禁断のフレーズ。ストレートに若者のヤル気を打ち砕きます。今までキラキラしていた若者の目からは光が失われ、間違いなくアナタの名前は飲みに行きたくないリストに書き込まれるはず。

最後に、若者との飲みニケーションを円滑にする簡単な方法をお伝えしましょう。それは、自分にとって煙たい存在の上司や先輩と飲みに行ってみることです。その飲み会でかけられる言葉が、「あーこういうのがNGなんだ」と、必ず気づかせてくれます。反面教師が、あなたの飲みニケーションスキルを磨いてくれるはずです。

前回:拝啓、「若手は褒めればいい」と信じる大人の皆様(4月7日配信)

平賀 充記 ツナグ働き方研究所 所長

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ひらが あつのり / Atsunori Hiraga

人材開発コンサルタント/組織コミュニケーション研究家/若者キャリア研究家。1963年長崎県生まれ。同志社大学卒業。1988年リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)に入社。主要求人媒体の全国統括編集長を経て、2012年リクルートジョブズのメディアプロデュース統括部門担当執行役員に就任。2014年ツナグ・ソリューションズ取締役。2015年ツナグ働き方研究所を設立、所長に就任。著書に『非正規って言うな!』(クロスメディア・マーケティング)『神採用メソッド』(かんき出版)『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム)がある。
ツナグ働き方研究所オフィシャルサイト「ツナケン!」:https://tsuna-ken.com/

 

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