就職ではなく「就社」してしまった中高年の行く末 誰もが自らキャリアを築ける環境作りの重要性

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誰もがいくつになっても主体的に仕事をしていくために、企業や国ができることは何か(写真:まちゃー/PIXTA)
近年、中高年男性の働き方について「働かないおじさん問題」などとメディアで取り上げられることは少なくありません。しかし、こうした背景には日本ではキャリアを通して仕事をするという「就職」よりも、会社で勤め上げる「就社」に重きが置かれ、1人ひとりが自らのキャリアを築き上げるという視点が欠けていることがあるのかもしれません。
本稿では高学歴中高年男性の働き方の実態や課題について、日本総合研究所・小島明子氏の新著『中高年男性の働き方の未来』から一部抜粋、再構成しお届けします。
1回目:45歳以上「高学歴男性」が持っていない3つのモノ
2回目:中高年男性が「健康」より将来不安を感じている事

70歳までモチベーションを保ちながら働けるか

いまの会社に残って働きたい中高年社員は一定割合存在する。そのような人たちがいきいきと長く働ける職場環境づくりも企業にとっては重要になってくると言える。そのためには、70歳まで働く従業員のモチベーションを下げないための人事制度設計が必要だ。

一方で、人事制度という形は整えたとしても、若手とシニアの人間関係など組織風土の改善にも取り組むことが必要だろう。

シニアになった従業員が大切にされない職場は、若手からみれば将来の自分の姿を投影し、モチベーションの低下につながりかねない。70歳定年でいきいきと働ける会社とは、若手が長く働きたいと思える職場環境づくりをしていくことだといえる。

「生涯プロエンジニア」という働き方にこだわりをもっている、メイテック(東京都台東区)の事例を紹介したい。

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