就職ではなく「就社」してしまった中高年の行く末 誰もが自らキャリアを築ける環境作りの重要性
しかし、就労を希望する高齢者を対象に、仕事を紹介しているマイスター60(東京都港区)では、「年齢は背番号 人生に定年なし®」との思索を経営の基軸として、高齢者の雇用に取り組んでおり、現在に至るまでおよそ8000人の高齢者の雇用の創出を実現している。
同社に登録を行う高齢者の中には、部長・課長クラスの人や、早期退職して再就職を目指す人もいる。大企業出身者であれば、転職経験がまったくない人も多く、初めてのキャリアチェンジとなる人が多い。
また、同社の取締役シニアビジネス事業部長の栁川忠興氏は、転職ができるシニア人材の特徴として、「聞き上手、話し上手、健康で就労の意欲が高いこと、新しい知識を吸収しようとポジティブシンキングな方が多い」という。
前職の時から資格取得に向けて勉強するなど、日頃から前向きに新しい知識を吸収しようという意欲の高い人が多く、専門職といわれる仕事に就いていなくても、働く意欲やコミュニケーション力の高さ、健康管理をきちんと行っていることがポイントであると指摘する。
人手不足の業種への転職が進まないワケ
同じ職場に定年後も勤務し続けていては十分に活躍する場はないと考えていたとしても、再就職をして給料が下がるよりはよいと考える人は、少なくないのではないだろうか。もっと稼いでバリバリ働きたいと心の奥では思っていても再就職の現実を目の当たりにし、いまの職場に残りながら短時間勤務に切り替え、私生活中心へと転換する人もいるだろう。
しかし、社会全体でみれば、人材ニーズの高い産業で活躍しようという人が増えなければ、人手不足は解消しない。1990年と2015年の就労者数を比較すると、就労者数が大きく増えているのは、サービス業である。
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