「特別入試」で難関大学に子どもを合格させる方法 偏差値よりも「観察力」を高めた子が勝つ時代

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ひと昔前の勉強スタイルは今の時代には通用しない(写真:Fast&Slow/PIXTA)

遊びを一切排除し、寝る間を惜しんで勉強し続ける――特に受験期には、そんな「ガリ勉」が必要だと思う人も少なくないだろう。しかし、子どもたちにガリ勉をさせず、受験期も読書を楽しませつつ、主宰する国語教室から東大、京大をはじめ有名一流難関校への合格者を輩出しているのが、『国語の成績は観察力で必ず伸びる』を上梓した久松由理氏だ。中でも一流大学の特別入試に合格できるようになるにはどうすればよいのか、久松氏に聞いた。

古い学力観をアップデートできているか

「いったいどんな教育をすれば、一流難関校にわが子を合格させられますか?」

仕事柄、じつに多くの方から、こうしたご質問をいただきます。それに対して、私はいつも「まずはガリ勉をやめさせて、好きなことに没頭できる自由な時間を作ってやることです」とお答えしています。

実際、私の教室では、ガリ勉をせず、受験期も悠々と読書を楽しみ、自主的な探究活動やボランティア活動にいそしみながら学業に励んだ子どもたちが、次々と一流難関校、国立医学部の特別入試(総合型選抜など一般選抜以外の入試)に合格しています。

どうして、そんなことが可能なのか? それは、ガリ勉をやめ、自由な時間を持たせることで、一流難関大学や医学部がこぞって欲しがる、「学ぶ意欲」を持った子どもを育てているからなのです。

今、日本には相対する2つの学力観が混在しています。暗記勉強と情報処理訓練にひたすら時間を費やし、子どもをAIロボット化することを良しとする古い学力観と、世界を五感で体験させ、思考させ、主体的に学ぶ意欲を涵養しようという21世紀の新しい学力観です。

当然、一流大学や難関校の特別入試は、この新しい学力観に基づいて人物評価をしているのですが、いまだ多くの親御さんや受験生たちが、古い学力観のままでこうした入試に挑もうとなさっています。

入試の評価基準が変わっているのに、その基準に合わない、時代遅れの準備に膨大な時間と労力をかけているのですから、「労多くして功少なし」という結果になるのも仕方がありません。

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