「特別入試」で難関大学に子どもを合格させる方法 偏差値よりも「観察力」を高めた子が勝つ時代

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ある時、私は授業をしていて、学習意欲の低い子どもたちが、揃って「飛ばし読み」をしていることに気づきました。目の前に書かれてある文字を、誰一人きちんと読んでいないのです。以来、子どもの学力と観察力とは密接な関係にあるのではないかと思い始めました。

人間が外部から得る情報の8割以上は、視覚からの情報。だったら、その視覚情報をどう捉えるかが、子どもたちの学力を大きく左右しているのではないかと考えたのです。

その仮説は、子どもたちの学習をつぶさに観察するうち確信へと変わりました。そこで、国語の授業に、独自の観察力トレーニングを取り入れてみることにしました。絵画や写真、身の回りの物など、あらゆるものを観察させて、何百字ものレポートを書かせるのです。

そうしたら、なんと子どもたちの国語力はもちろん、その他の教科の成績までもがぐんぐん伸び始めたのです。それだけではありません、やる気のなかった子どもたちが、次々と学ぶことの楽しさに目覚め、「次は〇〇を観察してみたい!」「もっと△△について調べてみたくなった。」と、意欲的に通室してくれるようになったのです。

幼い頃から「観察」を続ける効果

小学校低学年の頃から、そうした観察トレーニングを受けた子どもたちは、中学、高校と年齢を重ねていくうちに、より詳細に、より深く、あらゆる事象を見つめられるようになります。すると、誰も気づかなかった問題点を発見し、どうやってその問題を解決しようかと考え始めます。その結果、大人が思いもつかないような、新しい事物を創造できる子に成長するのです。

私の教室に通っていたある女の子は、中高一貫の私立校で、軽音楽部のドラマーとして活躍していました。帰国子女だった彼女は、日本の学生たちが「恥ずかしさ」から、舞台本番で十分実力を発揮できないことが、ずっと気になっていたそうです。

やがて高校生になった彼女は、得意な英語の道に進むべきか、大好きなドラマーとしての道を選ぶべきか、悩みに悩み始めました。そこで私は、「そのどちらも活かせる道があるのでは?」とアドバイスしました。その二つをよく観察すれば、必ず共通点があるはずだと、彼女により深い観察と考察を促したのです。

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