東京都「中3英語スピーキングテスト」深刻な問題 高校入試に活用するのはあまりに「危険」だ

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東京都が今年度から開始する予定の「中学英語スピーキングテスト(ESAT-J)の内容を知らせる告知画面(東京都教育委員会のホームページより)

読者の皆さんの中には中学3年生のお子さんやお孫さんがおいでで、来年春の入学を目指して、都立高校の受験を考えておられる方もいると思います。東京都が今年度から都立高校入試に活用しようとしているのが「中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)」です。

実は、このESAT-J、いろいろな問題を抱えているのです。そこで、今回はESAT-Jの問題を指摘し、最後に、英語を話す力をつける方法について述べることにします。

都立高校の受験は考えていないから無関係だと思われた方、ぜひ、もう少しお付き合いください。東京都のこの試みはやがてほかの道府県にも波及していくことが十分に予想されるからです。

「中学校英語スピーキングテスト」とは

東京都教育庁が今年の4月にネット上で公にした「中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)のお知らせ」があります。ESAT-J(「イーサット・ジェイ」と読みます)とは、「English Speaking Achievement Test for Junior High School Students」の略称です。

ESAT-Jは英語名にあるようにアチーブメント・テストです。つまり、生徒自身にとって「中学校で学んだ英語で、どのくらい話せるようになったか」がわかり、テストの結果に基づいて伝えられる学習アドバイスから「レベルアップのための学習方法」がわかる、そのようなテストとして位置づけられたものです。

その結果は学校や先生にとっても「よりわかりやすく、英語の力を身に付けることができる授業にしていく」ために役に立つ、と東京都教育庁はしています。

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