東京都「中3英語スピーキングテスト」深刻な問題 高校入試に活用するのはあまりに「危険」だ

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都内の中学校の中には、学校でGTECを利用し、生徒たちがGTECを受験している学校とそうでない学校があるのです。GTECを利用している学校の生徒たちはESAT-Jに似ているGTECで練習をすることができますから、そうした機会に恵まれない生徒たちが「ずるくね?」と思っても不思議はありません。

「民間の資格・検定試験実施団体の知見を活用する」こと自体は結構なことですが、問題はそれを利用する主体がしっかりとした見識を持って、利益相反が疑われることがないような方法で、独自性を持ったテストを開発すべきであることはごく当然のことです。

スケジュールにも問題がある

前述の通り、ESAT-Jは11月27日(予備日は同年12月18日)に行われ、結果は2023年1月中旬に返却されますが、このスケジュールが生徒の進路指導/決定から見て重大な問題を提起することはすぐに想像できます。

ご子息が受験を終えた保護者から、次のような切実な思いをつづったメールをいただきましたのでご紹介します。

「一保護者として、一番問題だと思うのは、スケジュールです。テストを実施する11月下旬から、12月に仮内申が出てから1月初め受験校を確定するまでは、今でも思い出したくないほど、怒涛の日々でした。仮内申で、内申が1下がったため、今まで候補にして説明会などにも参加した高校の基準を満たさず、ほかに候補の学校を探さなければならなくなったためです。都立にしても、最後の模擬試験を1月初めに受け、1月中旬には受験する学校を決めました。スピーキングテストの結果は1月中旬にでるため、都立の推薦受験には間に合わないことも疑問ですし、その時期に、受験校を決める基準になる成績(内申)が変動することは、物理的にも精神的にもつらすぎます」

この切実な思いは進路指導に当たる先生たちにとっても同じことです。「こんなことがまかりとおってしまうなら、進路指導は崩壊するしかない」という嘆きを何人もの先生たちから耳にしました。

では、英語を話す力はどう身につければよいのでしょうか。話す体験をできるだけ多く積むという、ごく当たり前の努力が重要であることは疑いの余地がありません。

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