実験!「お茶の味は水で変わるか」その意外な結果 ティーバッグや水出しは水でどう味が変わる?

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水道水は、衛生面から塩素による消毒を行い、蛇口での残留塩素濃度を0.1mg/L以上保持することが水道法で定められている。原水となる川の汚染の激しかった時代には大量の塩素が使われていたが、水質が回復し、浄水技術も高度になった現代では塩素の使用量は少なくなっている。

この4つの水(水量1L、水温19℃/常温)に、さっきと同じ緑茶ティーバッグに入れ、1時間経過したものが以下である。

軟水のA、F、Gの色に比べると、硬水のEはやや色が薄く、味は淡白だった。

水道水でお茶を作ると…

次に、水道水でつくったお茶の残留塩素濃度を測定してみると0になっていた。

水道水の塩素はお茶の成分のビタミンと反応する。水の中に大量の塩素が入っていると、お茶の香りやあまみを減らしてしまうので、塩素を抜いた水を使うとよいとされる。

別の言い方をすれば、水道水中の微量の塩素は、緑茶の成分によって中和できる。ちなみに、できたお茶を10倍に希釈してビタミンCを測定したのが以下の写真。硬水のEはお茶の成分が溶け出しにくいと考えられるが、ビタミンCの含有量も他に比べて少なかった。一方で、水道水の塩素と反応しても、FのビタミンC含有量が著しく少なくなるわけではなかった。

さて、ティーバッグの緑茶も水によってさまざまな差が出ることがわかった。何に価値基準をおいてお茶を楽しむかは人それぞれだろう。ただ、値段の安さという点でペットボトル水と水道水を比べると水道水が圧勝する。さらに、水道水にクーラーポットや水筒に緑茶ティーバッグを入れるだけで、気になる塩素も取り除けるというわけだ。

橋本 淳司 水ジャーナリスト

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はしもとじゅんじ / Junji Hashimoto

武蔵野大学客員教授。アクアスフィア・水教育研究所代表。Yahoo!ニュース個人オーサーワード2019。国内外の水問題と解決方法を取材。自治体・学校・企業・NPO・NGOと連携しながら、水リテラシーの普及活動(国や自治体への政策提言やサポート、子どもや市民を対象とする講演活動、啓発活動のプロデュース)を行う。近著に『67億人の水』(日本経済新聞出版社)、『日本の地下水が危ない』(幻冬舎新書)、『100年後の水を守る 水ジャーナリストの20年』(文研出版)、『水がなくなる日』(産業編集センター)など。

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