見た目を比べると、A→B→Cの順に色が濃く、Cはやや褐色気味だ。それに比べてD、Eの色は薄く、時間が経過すると表面に、やや濁り薄い膜のようなものができた。
次に香り。A、B、Cからはお茶の香りを感じるが、D、Eからはあまり香りを感じない。飲んでみるとA→B→Cの順にお茶の苦味が強くなる。とくにCは強い苦味を感じた。一方、D、Eはお茶の苦味をほとんど感じない。
簡易的な実験ではあるが、緑茶ティーバッグのお茶も水によって明らかな差がでた。軟水で中性のAがもっともお茶の味をおいしく感じることができ、アルカリ度が高いCはお茶の色が褐色になり苦味を強く感じた。硬度の高いD、Eは味も香りも淡白になった。また薄い膜が張ったのは、お茶の成分であるタンニンが、水のなかのミネラル分と結合したためだろう。
「水出し」だとどう変わるか
さて、夏になるとクーラーポット、水筒などに緑茶ティーバッグをポンと入れ、「水出し」を楽しむ人も多い。こちらも水によって差が出るのだろうか。用意したのは、先ほどのA、Eに加え、水道水F、水道水(浄水器使用)Gの4種類。これらの水について、硬度、pH、残留塩素を測定した結果は以下のとおり。
A、F、Gは軟水でEは硬水、pHはすべて7.0の中性だ。日本の水道水は硬度30〜80mg/Lの軟水が多いが、住んでいる地域によって異なる。
また、水道水には、微量の塩素が含まれる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら