NHKにも影響?BBC「受信料制度見直し」の意味 イギリス政府の白書が示した放送業界の激変
テレビあるいはラジオの前に座って、同じ時間に同じ番組を見たり、聞いたりするのが主流だった「マスメディアの時代は終焉した」(白書)。
イギリスの主要放送局は新たなメディア環境に加えて、国内のコンテンツ市場に到来した「グローバル化の波」に対応せざるを得なくなっている。具体的には、アメリカ発の大手動画配信サービス、ネットフリックス、アマゾン、アップルなどで、イギリスの放送業者よりもはるかに大きな予算で国際的にサービスを展開している。
差が大きくつくジャンルの1つが、品質の高さで競う大型ドラマだ。イギリスの放送局の場合、主力ドラマの制作費は1時間200万ポンド弱(約3億2600万円)だが、国際的投資が入ったドラマはその3倍の600万ポンド(約9億7500億円)に相当するという(「ブリティッシュ・スクリーン・フォーラム」調べ)。
プラットフォーマーから「締め出されてしまう」
国際的にサービスを展開するこうした企業は自分たち自身のプラットフォームを持ち、その中で番組視聴を完結させるため、イギリスの放送業者は「締め出されてしまう」危険がある、と白書は指摘する。
上記のような市場の変化や新たなライバルの出現に対し、白書による提案の柱は、
BBCについては、
BBCは約10年ごとに更新される「王立憲章(ロイヤル・チャーター)」によってその存立が定められている。現在の王立憲章は2017年1月から2027年12月末まで有効だ。これが終了するまでは、一律徴収型の受信料制度は維持することになっている。
ただ、政府とBBCは受信料制度を続行するかどうかも含めて「中間見直し」をすることで合意していた。2017年から6年目の2022年までが見直し対象の期間となり、政府とBBCは近く話し合いを始める見込みだ。
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