在宅は出世に影響?近くにいるほど「高評価」の謎 日本人の有休消化率はなぜこれほど悪いのか
日本人は休暇の半分を捨てている
少なくとも2020年春にコロナの感染が蔓延する前まで、日本人の年次有給休暇取得率はほぼ5割程度で推移してきた。つまり与えられた休暇の半分は労働者が捨ててきたわけである。
ちなみに欧米では比較的取得率の低いアメリカでも7割程度、欧州諸国は100%近く取得する。また日本人の年間総労働時間も短縮の必要性が叫ばれながら、正社員についてはコロナ禍が訪れるまで主要国のなかで突出して長い状態が続いてきた。その大きな要因が恒常的な残業の存在である。
欧米に比べて年休取得率が低いことや、残業が恒常的に行われていることについては、いくつかの原因が指摘されている。
例えば欧米諸国のなかには取得しなかった休暇を会社が買い取るよう法律で義務づけているところがあるし、以前から企業が時期を指定して休暇を取得させている国も多い。また日本では雇用調整が難しいので、代わりに残業で労働投入量を調整せざるをえないという事情もある。
しかし、それだけでない。労働政策研究・研修機構が2010年に行った調査(「年次有給休暇の取得に関する調査」)では有給休暇を残す理由について聞いている。
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